免疫力を強化する食事

免疫力を強化するには副交感神経を優位に保つ必要があり、 副交感神経を優位に保つには、毎日の食事が深く関わっています。


■「免疫力を強化する食事」とは?

免疫の主役ともいえる「リンパ球」(白血球の一種)には、自律神経のうちの副交感神経の影響を 受けて増減するという性質があります。そのため、免疫力を強化するには副交感神経を優位に保つ必要があります。 では、どのようにして副交感神経を優位に保てばいいのでしょうか。それには毎日の食事が深く関わっていることを 忘れてはいけません。私たちが日々口にする食品には、副交感神経を優位にする食品があるからです。 そこで、免疫力を強化するためには、次に述べるような食品を摂ることが重要になってきます。


●免疫力を強化する食事の摂り方

玄米や発芽玄米を摂る
玄米は、副交感神経を優位にする食べ物の一つです。玄米には、ビタミンB1、B2、Eをはじめ、 脂質やリン、鉄などのミネラル(無機栄養素)が、白米より2~4倍多く含まれ、 食物繊維は6倍も多いのです。特に、副交感神経を優位にする栄養は、マグネシウムやカリウム、カルシウムなど。 これらも玄米に含まれています。そうした意味から、免疫力強化のためには玄米が最適なのですが、 炊き方が難しかったり食べたときに硬かったりするのが難点。そこで、5分づきや7分づきの玄米、 あるいは発芽玄米を白米に混ぜて食べれば、免疫力の強化に役立ちます。

▼肉や揚げ物を減らす
現代人の食事には、肉や揚げ物などがたくさん取り入れられるようになり、肥満の人が急増しています。 肥満の予防には、食欲のコントロールが必要です。ストレスを減らし精神が安定すれば、 腸の粘膜にある白血球の働きが正されて、食べる量も減ってきます。 ところが、脂肪を摂り過ぎれば食欲のコントロールが乱れ、免疫力を担う白血球が正しく働かなくなるのです。

▼塩分を摂り過ぎない
塩分の摂りすぎも免疫力低下に関係しています。最近、胃癌の発生にピロリ菌の感染が深く関わっていることがわかりました。 国立がんセンターによれば、ピロリ菌に感染していて塩分の多い食事をする人に、胃癌が多発しているとのことです。

大豆食品を摂る
納豆や豆腐などの大豆食品も、副交感神経を優位にする食べ物で、基本的には毎日摂りたい食品です。 味噌汁も食事には欠かせません。厚生労働省の研究班が行った調査では、1日に味噌汁を3杯以上飲む人は、 飲まない人より乳がんの発生率が4割も減ることがわかっています。

▼野菜や果物を摂る
野菜や果物は、毎食摂ることが望ましい食品です。

きのこ 海藻類を摂る
きのこや海藻類は、食物繊維が豊富な上に低カロリーです。しかも、きのこのβグルカンという成分は、 免疫力を強化して癌を予防します。海藻類に含まれている水溶性食物繊維のフコイダンには、 大腸癌を抑える働きのあることがわかっています。

▼魚を食べる(オメガ3系脂肪酸)
魚には、EPAやDHAというオメガ3系脂肪酸が含まれています。EPAやDHAは、体の中でリンパ球を増やします。 また、小魚や小エビなどのように、豊富な栄養をバランスよく含んでいる食品を摂れば、副交感神経が優位になります。

▼甘いものの摂りすぎを控える
甘いものの摂りすぎは、食欲のコントロールを乱し、肥満を招きます。

▼早食いを止める
食事のときによく噛まないで飲み込むと、唾液が十分に分泌されず、体にとって有害なものが素通りしてしまう可能性があります。 唾液中に含まれる酵素には、食品添加物や残留農薬などの害を消す働きがあるので、 1口食べたら最低30回は噛むようにしたいものです。また、よく噛まないで早食いすると、 食べ過ぎにつながります。一口づつよく噛んで食べれば、腹八分で満腹感が得られるので、食べ過ぎる心配はありません。 食べ過ぎは交感神経優位の状態を作り出し、反対に、腹八分は副交感神経を優位に保ってくれます。

▼偏食しない・外食を控える・欠食しない
栄養のバランスを欠いてしまいます。栄養のバランスを整えることが副交感神経優位の状態を作り出します。