調味料について

日々、料理の味付けに使う調味料は1回に摂取する量は少なくても、毎日の食事で使うものがほとんどです。 それぞれ、効果や効能もあります。体調が悪いとき、食生活を見直す場合は、調味料も留意しましょう。


■コショウ

コショウは収穫の時期や製法で、4つの種類に分けられます。黒コショウは、完熟前の実を乾燥させたもの。 白コショウは、完熟後に収穫し、赤い皮をはいだもの。青コショウは、完熟前の実を塩漬けか短時間で乾燥させたもの。 赤コショウは、完全に熟してから収穫して乾燥させたものです。 コショウは、漢方で胃や大腸に効くとされています。胃を温めて、痛みを止める効果があります。 吐き気や腹痛を抑えたり、胃が冷えているときに、冷えを取り除いてくれます。 また、消化器官の調子を整え、食欲不振にも効果があります。 コショウのビペリンという成分には、消化不良、嘔吐、腹痛の緩和など胃腸を整える作用の他、抗がん作用、抗酸化作用があるといわれています。 ただし、大量に摂ると、胃や腸の粘膜を刺激し過ぎるので、過剰な摂取には気を付けてください。


■黒砂糖

サトウキビの搾汁100%の黒砂糖には、ビタミンB6、鉄、カルシウム、銅、パントテン酸、亜鉛、オリゴ糖ナイアシンなど、さまざまな栄養素が含まれています。 甘未の持つ栄養・緩和・解毒作用の他、体を温めて、胃腸の働きを助ける効果があります。 疲労回復や下痢、冷え性などにも有効です。また、血行不良、月経痛や月経不順の改善にも効果的的です。 白砂糖は、生成するときにビタミンやミネラルの大部分が失われてしまいます。また、血糖値を急上昇させ、膵臓に負担をかけてしまうことも。 その他、黒砂糖は血糖値の上昇も湯通夜化なので、体に優しい砂糖であるといえます。


■塩

最近、減塩をうたう商品が増え、塩は悪者のように思われがちですが、生命を維持するために、塩は欠かせないものです。 塩には、血液の中のPHを一定に保つ役割があります。体内の塩分量が少なくなると、体液のPHが酸性に傾き、 神経や筋肉の機能がうまく働かなくなってしまい、倦怠感や精神不安、眠気などを引き起こします、 漢方では、塩は切り傷やかゆみ、歯通に効果があるといわれています。他には、消化と吸収を助ける働きもあります。 塩には天然塩と精製塩がありますが、天然塩は多種のミネラルも豊富で、栄養成分も優れているので、天然塩を選ぶようにしましょう。


■醤油

醤油は中国の「醤(ヒシオ)」が起源とされています。これが、醤油と味噌に分かれて発展していきました。 醤油は胃腸の調子を整える効果があります。また、生ものへの解毒作用があります。 昔から刺身につけて食べられてきたのは、経験から、この醤油の効果を知っていたからかもしれません。


■酢

酢は、歴史の長い調味料です。大和朝廷が国家統一したころにはすでに使われており、聖徳太子の時代には、酢の醸造に関する専門の官職がいました。 酢は東洋医学では、体を温め、「肝」と「胃」に働くとされています。つまりコレステロール値を下げ、血管壁を柔らかくし、動脈硬化を防ぐのです。 また、最近の研究でも酢が脂肪の代謝を活発にし、余分な脂肪の吸収を抑えてくれることがわかりました。 それだけでなく、肝障害や高血圧、認知症の原因になる過酸化脂質に対しても有効であることも判明しました。 また、酢は疲労回復や肩こりにも効果があります。食物繊維の消化を良くしたり、カルシウムの吸収を助ける働きや、殺菌作用があることも知られています。
酢には小麦粉や米、玄米などの穀類を主原料とした酢(穀物酢、米酢、玄米酢)と、果汁を主原料としたリンゴ酢、ワインビネガー、バルサミコ酢などがあります。 酢によって効能が多少違います。黒酢は、玄米を長期熟成させたもので、他の酢に比べて豊富に含まれるアミノ酸が血液をサラサラにする効果があります。 他にも血圧安定作用や抗酸化作用、大腸がん予防、ダイエット効果など、さまざまな効果や効能が知られています。


■味噌

味噌は醤油同様、中国の「醤(ヒシオ)」が起源であるといわれています。それが中国から日本に伝わりました。 近年、味噌の塩分が高血圧や胃がんの発症率を高めるという偏見が横行しました。 それは、塩分の消費量が多い東北地方に高血圧、胃がんの患者さんが多いためで、その原因として味噌があげられたからです。 しかし、その後、各種の実験・研究で間違いであることが判明しました。 国立がんセンターのグループが発表したデータによれば、味噌汁を毎日飲んでいる人は、飲まない人に比べて、圧倒的に胃がんによる死亡率が少なかったのです。 また、農林水産省の研究グループも味噌で血圧が低下するというマウスの実験結果が得られました。 味噌は頭痛にも効果があります。脳卒中のような病気は別ですが、一般的な頭痛は脳血管の急激な収縮や拡大によって起こる場合が多々あります。 そこで、味噌は血行促進や血管を柔軟に保つ効果があるので、頭痛のような不快症状が改善されるのです。 他にも、コレステロール抑制作用、解毒促進作用、抗酸化作用があることも解明されています。

【関連項目】:『高血圧対策に「味噌(みそ)」』


■みりん

みりんは蒸したもち米、米麹、アルコールを原料にし醸造させた酒です。「みりん風調味料」は、アルコールが1%未満で、発酵もさせていないので、 まったく別のものなので注意が必要です。みりんには、ビタミンB6やカリウム、マグネシウム、カルシウムなどがあり、 食欲増進効果があるといわれています。また、魚などのにおいのもとであるアミン類と反応して、生臭さを消すことができます。