食事によって便通を改善する

便通を改善するためには、食事は1日3食、規則正しく摂り、食物繊維や正常な腸の機能を維持するために必要な 腸内細菌のバランスをよくする食品を多く摂取しましょう。 特に朝しっかり食べると、腸の働きがよくなり、便通が改善されます。 便通改善によいとされている食品・飲料・成分には、次のようなものがあります。

■食事療法にかかせない7種の食材と栄養素

▼「水」:腸の反応を起こす。
何も食べ物が入っていない空っぽの状態の胃に冷たい水が入ると胃が刺激され、 大腸に「蠕動運動を始めなさい」という信号を送ります。 また、飲み物や食べ物から摂取した水の一部は大腸に到達して便に吸収されます。 便を軟らかくするためにも水は欠かせません。

▼「食物繊維」:便のかさを増やし柔らかくする。
便のかさを増やし、便を軟らかくするには食物繊維が便通改善に良い事はご存知の方も多いかと思います。 成人で1日25g以上の食物繊維を摂取することが奨励されています。 食物繊維の摂取にあたり水分をよく摂らないと便が硬くなりかえって 便秘をひどくすることもあるので気をつけましょう。
【関連項目】  『食物繊維』

▼「乳酸菌」:腸内環境のバランスを改善する。
乳酸菌は腸の中で腸内細菌のバランスを改善して、体に良い働きをします。 いわゆる善玉菌として腸の働きを活発にするため便通改善には有効です。 また、乳酸菌の成分は死んで人体に有効な働きをすることがわかっているので進んで摂取することを心がけましょう。
【関連項目】  『乳酸菌』

▼「オリゴ糖」:腸内で善玉菌のエサになる。
オリゴ糖や食物繊維は「プレバイオティクス」と言われています。 胃などの消化器官で消化されずに大腸まで到達し、善玉菌のエサになり腸の活動を活発にし便通改善に有効です。 母乳中にも含まれていて赤ちゃんの免疫力を高めることでも知られています。
【関連項目】  『オリゴ糖』

▼「マグネシウム」:腸の働きを良くする。
マグネシウムはミネラルの一種で、腸の働きを良くすることで知られています。 ブームになった「にがり」もマグネシウムの含有率が多く便通改善効果のカギとなっています。 また、マグネシウムは脂肪の燃焼など体内の化学変化を促進する酵素として非常に重要な働きをします。
【関連項目】 『マグネシウム』 

▼「ビタミンC」:腸の蠕動運動を活発にする。
ビタミンCが腸内で分解することによって発生するガスが腸の蠕動運動を活発にします。 ビタミンCを多く摂取すると、便が柔らかくなります。
【関連項目】  『ビタミンC』

▼「オリーブオイル」:小腸を刺激する。
オリーブオイルの便通改善効果は紀元前から知られています。 オリーブオイルに豊富に含まれているオレイン酸という脂肪酸に秘密があります。 オリーブオイルを摂取すると小腸を刺激してスムーズな排便を促してくれる効果が望めます。

■便通改善には食物繊維

便通改善のためには、毎日の食事で、「食物繊維」を十分に摂ることが大切です。 食物繊維には、水分を吸収して膨らみ、適度な軟らかさの便をつくるとともに、 腸を刺激して動きを活発にさせ、便通を改善する働きがあります。 食物繊維は、1日に25g~30gは摂取したいものです。

【関連項目】:『食物繊維』

●食物繊維を多く摂るコツ

食物繊維をたっぷり摂る最も簡単な方法は、「和食」中心の食事にすること。 和食には、豆、豆製品、野菜類、きのこ類、海藻類など、食物繊維の含有量が多い素材が多く使われており、 みそや納豆などの発酵食品には、腸内細菌のバランスを整える善玉菌も含まれています。 特にお勧めしたいのは、主食を白米から「玄米や胚芽米」などに替えることです。 主食は、1回に食べる量が多いので、これだけでも摂取する食物繊維の量をぐんと増やすことができ、 便通の改善に役立ちます。

▼主食を食物繊維が多い食品に替える
白米を玄米に、食パンをライ麦パンに替えるなど。 精製度が低い玄米やライ麦パンなどには食物繊維が多く含まれており、 主食を替えることで、簡単に食物繊維の摂取量が増やせます。

▼野菜は火を通すと多く摂ることができる
野菜はサラダなど生で食べるよりも、煮たり炒めたりしたほうが、多く摂ることができます。

▼一度にたくさん作って常備し、毎食少しづつ食べる
ひじきの煮物やきんぴらごぼうなどを、多めに作って保存し、毎食少しづつ食べるのもよいでしょう。 そのまま食べるだけではなく、ひじきの煮物を卵焼きに入れたり、きんぴらごぼうを刻んでチャーハンに入れる などのアレンジをするのもおすすめです。

●食物繊維を多く含む食品

▼穀類
ライ麦パン、そば、玄米、胚芽米
(玄米は白米の約5倍、胚芽米は約3倍の食物繊維が含まれており、
 ライ麦パンには、食物繊維が食パンの2倍以上含まれています。)

▼豆類
インゲン豆、おから

▼野菜類
ブロッコリー、ごぼう、ピーマン、ホールコーン、グリーンピース、 ハクサイ

▼きのこ類
エリンギ、干ししいたけ

▼海藻類
ひじき、昆布

▼果物

アボカド、キウィフルーツ、ブルーベリージャム、レーズン

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