マグネシウム
『マグネシウム』は、体内のエネルギー分子ATPの産出に必要で、 また体内の酵素を活性化させる作用があります。 カルシウム、 ビタミンC等の代謝に必須です。 また筋肉をリラックスさせる効果もあります。 ストレス、 アルコール、インスタント食品はマグネシウムを排出を増し、 マグネシウム不足を引き起こします。 マグネシウムの効能としては、心臓病・高血圧を防ぐ、 血中コレステロールを減らす、 手のふるえ・てんかん・ひきつけを防ぐ、胃酸過多に効く、 脳の働きを円滑にする、皮膚を健康に保つ、頭痛を緩和させるなどの効果があります。 また、カルシウムと一緒に摂取することにより、循環系の健康を増進させ、心臓発作、カルシウムの沈着、腎臓結石を防ぎます。
■「マグネシウム」とは?
マグネシウム(Mg:Magnesium)はギリシア北部(小アジア地方)のマグネシアという地方の地名で、マグネシア産という意味で名付けられました。
マグネシウムは地上に広く分布し、誰にもなじみ深い元素です。
もっともよく知られているのは、塩化マグネシウム。海水中に0.5%含まれ、苦味を与える成分で、日本では古く「苦土元」などと呼んでいました
(苦い土=苦土は、酸化マグネシウムのこと)。
金属マグネシウムは、空気中で酸化されやすく、空気が湿っていると、酸化膜ができて光沢が失われます。
強く熱すると、まばゆい光を放って燃えるため、写真のフラッシュなど利用されるのはおなじみです。
この元素は生物にとっても極めて重要な働きをし、人体でも筋肉の収縮などに関係しています。
しかし、何といってもマグネシウムはクロロフィル(葉緑素)を構成する元素、植物の光合成という自然界のハイライトの中で欠かせない役割を演じています。
クロロフィルの中でも重要な、クロロフィルaの化学構造式を図にしめすと、植物がこんな形でマグネシウムを取り込み、うまく活用していることは、一つの驚異です。
自然界の巧みな仕組みに感嘆するほかはありません。
光合成は、炭酸ガスを植物が取り込み、水を酸化して炭水化物を合成する営みです。
nCO2 + nH2O →(HCHO)n + nO2
この反応に必要なエネルギーは、クロロフィルが取り込む太陽の光です。
緑色の色素であるクロロフィルは、実はその補色の関係にある赤い光を吸収し、そのエネルギーを電子のエネルギーに変えます。
実際には、光合成が完成するまでには、数多くの物質や酵素が関係していますが、そういった多くの物質が関係するいくつものステップを通じて、
電子の受け渡しが進みます。酸化や還元などの化学反応は、電子のやり取りで1進行することは知っているでしょう。
ですから、クロロフィルは、光のエネルギーを電流に変える精密な電子装置なのです。
そのアンテナの役割をするのが、中心にあるマグネシウムといってもよいでしょう。
■マグネシウムの生体での役割
●マグネシウムの身体での働き
マグネシウムは、ミネラルの一種で、神経や筋肉の機能にとても重要な働きをします。 マグネシウムが不足すると骨組織から取り出されてマグネシウムの5倍のカルシウムも一緒に出て行ってしまうため、 余分なカルシウムが細胞内に進入して筋肉を萎縮させてしまいます。 それにより、 虚血性心疾患、 動脈硬化、 高血圧、 糖尿病、 肝硬変、 骨粗鬆症、 慢性アルコール中毒、 頭痛などの諸症状が現れます。 特に、高齢者や妊婦、激しい労働をする人、お酒を多量に飲む人はカルシウムと一緒にマグネシウムを十分に摂取することが必要です。 食生活が近代化するにつれてマグネシウムの摂取量が減少してしまい、マグネシウムはカルシウム以上に不足しがちなミネラルです。 小麦やトウモロコシなどマグネシウムを多く含む食べ物でも、生成加工するとマグネシウムは90%近く失われてしまいます。 また、マグネシウムはカルシウムの働きを助けてくれるので合わせて飲むことが大切です。 特に現代では、マグネシウムと亜鉛の摂取が少なくなり、そのことにより問題が出てくるとも言われています。
●マグネシウムの効能
マグネシウムの効能としては、心臓病・高血圧を防ぐ、血中コレステロールを減らす、 手のふるえ・てんかん・ひきつけを防ぐ、胃酸過多に効く、 脳の働きを円滑にする、皮膚を健康に保つ、頭痛を緩和させるなどの効果があります。
●マグネシウムが多く含まれる食品
玄米、 ほうれん草、 豆類、 納豆、 カキ(牡蠣)、 海苔(ノリ)、 昆布類、 ひじき、かぼちゃの種、バジル、パセリ、茶の葉、インスタントコーヒー、バナナ、カカオ、カシューナッツなど
●その他
- キシロオリゴ糖を継続して摂取するとカルシウムやマグネシウムなどのミネラル吸収を高める効果が知られています。
- チョコレートはカルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛などのミネラル類を豊富に含んでおり、 特に、カルシウムとマグネシウムのバランスがよいとされています。
- マグネシウムが不足すると動脈の収縮がおこり血圧が上がります。