【質問】膣カンジダを繰り返しています

2年ほど前から「膣カンジダ」を繰り返しています。リンデロン軟膏を塗るとよくなりますが、医師から「あまり使わないように」と言われています。 普段はゲンタマイシンを使い、ひどいときは膣に挿入するクロトリマゾールを使っています。 膣カンジダは完治しないのでしょうか。
●70歳・女性
●糖尿病がある


【答】

「膣カンジダ症」は、真菌(カビ)の一種であるカンジダ属菌(以下カンジダ)による膣の感染症です。 カンジダは膣の常在菌の一種で、健康な女性の膣からも15%程度は検出されますが、大部分は無症状です。 何らかの原因でカンジダが増殖すると、外陰の強いかゆみや、時に白いおりものを伴う膣カンジダ症を発生します。 カンジダの増殖を促す要因には、女性ホルモンの増加(妊娠、経口避妊薬の使用など)、 糖尿病、抗生物質の投与などがあります。 ご質問者は糖尿病を患っているようなので、膣カンジダ症が治りにくい素地があるといえます。 また、再発を繰り返す要因には、薬が効きにくいタイプのカンジダによる感染や、 性交によりパートナーから繰り返し感染する場合などがあります。
一般的な治療としては、カンジダに有効な抗真菌剤(クロトリマゾールなど)を含んだ膣錠を1日1回、6日間連続で外来で挿入します。 毎日通院が難しい場合は、週に1回投与する膣錠もあります。 外陰のかゆみには、抗真菌剤を含有したクリームを1日2~3回塗布します。このような治療により大体の方は治癒します。 前述のような治療を行っても改善しない場合は、使用した抗真菌剤が効きにくい可能性がありますので、 別の抗真菌剤の膣錠とクリームに替えてもらうとよいでしょう。 ただ、それでも治らない場合もあります。カンジダ属の中には、薬が効きにくい型のカンジダが5~10%くらいあるので、 培養検査でカンジダの種類を確認してもらいましょう。 リンデロン軟膏は、痒みに対して一時的には有効ですが、カンジダを消滅させる根本的な治療ではありません。 また、ゲンタマイシンはカンジダには効かないと思います。まずは、カンジダに効く膣錠とクリームを使った治療を受けることが大切です。 また、糖尿病はカンジダの増殖を促進しますので、糖尿病の治療も同時に行うことが大切ではないかと思います。

(この答えは、2020年月現在のものです。医療は日々進歩しているため、後日変わることもあるのでご了承ください。)