【質問】フェリチン値が高いので、下げる方法は?
フェリチン値が、高いときは217ng/mLあり、最近は142ng/mLでした。基準値まで下げるには、どのように鉄を摂るとよいのでしょうか。
フェリチン値について詳しく教えてください。
●81歳・女性
●ノルバスク、ネキシウム、タフマックEを服用中
【答】
「フェリチン値」は、体内の 鉄の”貯金”を表す指標です。 体内の鉄が足りなくなると低値になり、過剰になると高値になります。 また、鉄の貯金だけでなく、体のどこかに炎症がある場合も、フェリチン値に変化が出ます。 例えば、関節リウマチなどの関節炎、 肺炎などの感染症、腫瘍などでは、フェリチン値が高くなります。 フェリチン値の基準値ですが、基準値は健常の方を集めて設定しますので、若い女性が多く含まれていると、 潜在的な鉄欠乏の方が含まれる可能性が高くなるため、フェリチン値の基準値は低めになる傾向があります。 ただ、この点を考慮しても、ご質問者の数値は若干高めのようです。 この場合、もし、持病をお持ちでしたら、その病気が影響している可能性があります。 特に、その持病が先に述べたような「〇〇炎」という名前の病気でしたら、その可能性が高くなります。
通常、頻回にフェリチン値を測定することはあまりありませんので、かかりつけの医師が炎症の指標としてフェリチン値を測定しているのかもしれません。 その場合は、持病を治療することでフェリチン値は下がります。 もし、そのような持病がない場合は、かかりつけ医に何か病気が隠れていないかを確認していただくのがよいと思います。 基本的にフェリチン値が基準値を超えたからといって、すぐに体に影響が出たり、病気になったりするものではありません。 輸血や鉄剤の過剰投与によって内臓に障害が出るような場合には、確かにフェリチン値が高値となり、フェリチン値を目安として鉄を抜く治療をしますが、 その場合のフェリチン値はご質問者の数値よりもはるかに高い数値になります。 このような明らかに鉄が過剰となっている特殊な状況でなければ、フェリチン値を無理に下げる必要はありませんし、 鉄分を多く含む食品をあえて避ける必要もありません。 該当する持病がなく、一通りの検査で隠れている病気も見つからないようでしたら、このまま様子を見られるのでよいと思います。
(この答えは、2019年10月現在のものです。医療は日々進歩しているため、後日変わることもあるのでご了承ください。)