関節リウマチ

関節リウマチ』とは、免疫の異常により関節内に炎症が起こり、腫れや痛みなどが生じる病気です。
免疫の働きは、本来、体に侵入した細菌やウィルスなどの異物を排除して、体を守るための仕組みです。
しかし、何らかの理由で、自らの正常な細胞や組織を異物とみなし、それを排除するために攻撃し、病気(自己免疫疾患)
を引き起こすことがあります。「関節リウマチ」は、この免疫疾患の一つです。
多くは、手や足の指のような小さな関節から始まり、肩、ひじ、膝、あるいは股関節のような大きな関節に進みますが、
大きな関節から起こる場合もあります。

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■関節リウマチとは?

免疫の異常によって、関節の破壊が起こる病気

『関節リウマチ』は、免疫の異常によって全身の関節に炎症が起こり、痛みや腫れ、 こわばりが引き起こされ、次第に関節や骨が壊れて変形していく病気です。 関節リウマチは、本来は病原体などから体を守るための免疫機構が、誤って自分の体を攻撃してしまうために起こる 「自己免疫疾患」のひとつで、関節リウマチでは、関節内にある「滑膜」という部分が攻撃の対象となります。

初期のうちは「関節の痛みと腫れ」が主な症状ですが、進行するにつれ、関節を構成する骨と軟骨が壊れて変形が起こり、 日常生活に支障をきたすようになります。1〜2年で自然に治る場合もありますが、多くは進行性で、治療しないと、 徐々に関節が破壊されて変形が進み、動きが不自由になって、10年で半数が寝たきりになるというデータもあります。

関節リウマチは診断が難しく、以前は初診から診断までに1年以上かかることもありました。 最近は「抗CCP抗体」を調べることで、初診から1ヶ月以内の診断も増えています。 発症の仕組みの研究も進み、診断や治療がより効果的に行われるようになってきています。

関節リウマチは現在、日本にはおよそ70万〜80万人の患者がいると推定されており、 男性より女性に多く、女性の患者数は男性の約4倍です。 患者の高齢化が進んでいるため、高齢者に多いのですが、発症するのは30〜50歳代が多い病気です。 この年代は、育児、家事、仕事など、通常、人生で最も多忙な時期に重なることが多いため、 患者や家族の生活への影響は大きくなります。


●関節リウマチの起こる仕組み

「免疫」が関与している

関節は、「骨」「関節軟骨」「滑膜」「関節包」などで構成されています。 関節軟骨は骨と骨の間にあり、骨どおしが直接ぶつからないよう、クッションの役割をしています。 滑膜は、関節を包む「関節包」の内側にある非常に薄い膜で、関節を滑らかに動かすための”潤滑油”となる 「関節液」を分泌し、関節の動きをスムーズにしたり、関節に栄養を供給したりしています。 関節リウマチは、この滑膜に炎症が起こり、滑膜が増殖する病気です。炎症が続くと、増殖した滑膜が関節軟骨や 骨に入り込み、関節を破壊していきます。関節軟骨が完全になくなると、骨と骨が直接ぶつかるようになるため、 関節を曲げるのが困難になり、痛みも強くなります。

◆免疫の異常とは?

関節リウマチが起こる根本的な原因についてはまだ不明な点が多いのですが、「免疫」の異常が関与している ことがわかっています。 免疫とは、体内に侵入してきたウィルスや細菌などの異物に働きかけ、これらを排除して体を守る、体の仕組みの一つです。 関節リウマチでは、何らかの原因でその免疫の働きに異常が起こり、本来は異物に対して働く「免疫細胞」が、 体の一部である滑膜に対して働いてしまうのです。 その刺激で、炎症を起こす「炎症性サイトカイン」と痛みを起こす「発痛物質」がつくられ、 滑膜に炎症が起こったり、骨が破壊されたりします。



●症状の進み方

関節に集まった免疫細胞が「滑膜」を攻撃すると、関節に炎症が起こり、腫れや痛みが生じます。 炎症が続くと、骨の代謝を担っている「破骨細胞」が活性化し、本来壊すべき古い骨だけでなく、 新しい骨まで壊してしまうため、軟骨や骨の破壊が進みます。すると、骨の「骨粗鬆症化」が起き、 骨の表面に「骨びらん」と呼ばれる小さな傷がつき始めます。骨びらんが深くなると、軟骨が失われ、 骨と骨が直接こすれ合って「亜脱臼」が起きます。 こうなると、関節が変形して、関節における骨のかみ合わせ、筋肉のバランスなどが崩れてきて、 その結果、目には見えない程度の関節の変形が始まり、 「物がつかみにくい」「歩行しにくい」「座りにくい」など、日常生活に支障が出ることがあります。 症状は徐々に進行し、やがて骨と骨の間の軟骨が ほとんどなくなります。クッションの役割をする軟骨がないと、関節を動かすたびに骨と骨が直接ぶつかり、 曲げ伸ばしが困難になります。例えば、膝の関節に起こり、痛みが強いと、膝を曲げるのが困難になり、 正座などはできなくなります。 さらに、炎症が長引くと軟骨は完全に消滅し、骨と骨が接合して1本のようになったり、 逆に離れて不安定になったりします。この段階になると痛みは多少和らぎますが、関節が破壊されて動かなくなります。

◆自覚できる初期症状

関節リウマチの炎症は”火事”に例えられます。火事が燃え広がると、消火が大変になるように、 炎症をほうっておくと、どんどん広がり、関節の破壊を抑えることが難しくなっていきます。 最近の研究では、発症してから2年間が、最も軟骨や骨の破壊が進む時期だとわかってきました。 ですから、骨の変化や関節の変形が起こる前に関節リウマチを発見し、治療を開始しなければなりません。 そのためには、次にあげるようなサインを見逃さないようにします。 関節リウマチの初期症状は漠然としていますが、そのサインを見逃さないことが大切です。

▼朝起きたときに関節がこわばる
朝、目覚めた直後に関節がこわばり「手に力が入らない」「手を握ったり開いたりしにくい」「手が思うように曲げられない」 「体を動かしにくい」など、「朝のこわばり」と呼ばれる症状がみられます。 日常生活では「顔を洗えない」「瓶のふたを開けられない」「洋服のボタンがかけられない」などの支障が起こります。 スポーツをした翌朝などに、朝のこわばりが起きることもありますが、その場合は5分間ほどで治まるのに対して、 関節リウマチの場合は、15分間以上、時には1時間以上も続くのが特徴です。 この朝の関節のこわばりが1時間以上続く場合は、注意が必要です。 滑膜が炎症を起こすと、潤滑油として働く関節液の粘土が低下するなど、関節液の質が低くなります。 しかし、起床して体を動かしていると、質の落ちた関節液でもある程度働くようになるので、 時間が経つと症状は和らぎます。ただし、1日中こわばりの症状が続くこともあります。

▼動作に支障が出る
昼寝や長時間座っていたりして、関節を長時間動かさずにいた後にスムーズに動かせない場合なども、 関節リウマチが疑われます。

▼軟らかく、紡錘状に腫れる
指の関節や付け根、手首など複数の関節に腫れや痛みが現れます。 特に手指の第二関節の痛みが強く、左右対称に起こることが多いのも特徴です。 手や足の小さな関節から起こり始め、肘や肩、膝などの大きな関節に広がっていきます。 特徴的なのが関節の腫れ方で、関節が腫れた形が「紡錘(糸巻き)状」に見えるのが特徴です。 触った時の感触は軟らかく、水枕の感覚に例えられる場合があります。

▼痛む
「獣に食いちぎられるよう」「串刺しにされるよう」などという激しい痛みから、「じわじわとした痛み」「ほとんど痛みを 感じない」場合まで、また、「押すと痛い」「動かすと痛い」など、痛みには個人差があります。

▼微熱やだるさが続く
風邪ではないのに、37℃程度の微熱やだるさが続くことがあります。 風邪の場合と異なるのは、「のどの痛み、鼻水、せき」などの症状がなく、2週間以上、微熱やだるさが続くことです。 ただし、この症状は、関節リウマチに特有というわけではありません。

これらの症状が1つでもあれば、できるだけ早く、かかりつけ医に相談することが大切です。 特に朝のこわばり、関節の腫れと痛みがある場合は、要注意です。 問診や血液検査などを受けた結果、関節リウマチが疑われる場合には、かかりつけ医から関節リウマチの専門医の紹介を受け、 早めに受診してください。

これらの症状は、すべて炎症によって起こります。炎症が長引くと、症状も重くなるので、治療により、 早く炎症を止めることが大切です。 発症後1年ほどの初期の段階では、関節の腫れはあっても、外見上は明らかな変形は見られません。 「エックス線検査」の画像を見ると、骨に傷が付き始めていることが多いのですが、 ただ腫れているだけと放置してしまいがちです。 外見で変形がわかるようになるのは、通常、発症後10年以上経ってからです。 このころには、関節の破壊はかなり進んでいて、「物をつかむ、歩く」などの基本的な動作も困難になってきます。





●発症に影響を及ぼす要因

関節リウマチが起こりやすい人がいる

遺伝的要因と環境的要因があります。遺伝的要因として、特定の型の白血球を持つ人は関節リウマチを起こしやすい と考えられています。ただし、その条件に当てはまらないのに発症する人もいます。 現在は、遺伝的要因に、環境的要因が加わって発症すると考えられています。 現在日本における関節リウマチの患者さんは70〜100万人いるといわれています。 関節リウマチを起こしやすい人には、次のような傾向が見られます。

▼女性
性別を見ると、多くが女性で、女性と男性の比率は4対1という統計もあります。

▼30歳〜50歳代
発症年齢は、30歳〜50歳代に集中しています。一般にお年寄りの病気だと考えられがちですが、 いわゆる壮年の女性に多いといえます。

▼出産後
出産が関節リウマチ発症のきっかけになるケースがよく見られます。妊娠中は、胎児を異物とみなして排除することの ないように、免疫の働きがある程度抑えられています。出産後、免疫の働きは元の状態に戻りますが、その際に、 免疫の働きが過剰になり過ぎて、関節リウマチの発症につながることがあると考えられています。

▼けがや感染症
ケガをしたり、「風邪」「気管支炎」「膀胱炎」「歯周病」などの感染症を起こすと、免疫の働きが活性化しやすく、 これらが発症のきっかけになることがあります。

▼精神的ストレス
精神的ストレスが大きいと、ホルモンのバランスが乱れたり、自律神経の働きが影響を受けたりして、 免疫の働きが活性化され、関節リウマチが発症するきっかけになる場合があります。


●治療効果

進行の程度によって、3段階の寛解が目指せる

病気が起きても、薬などの治療により、症状がほぼなくなった状態を「寛解」と呼びます。 関節リウマチの場合、以前は痛みを止める「対症療法」が中心でしたが、現在では、薬が著しく進歩し、炎症を止めて、 寛解を目指した治療が行えるようになっています。
関節リウマチには3つの段階の寛解があります。

▼臨床的寛解
医師が診察した時、関節の腫れや痛みが見られない状態です。治療ではまずこの段階を目指します。

▼構造的寛解
画像検査などで、関節破壊の進行が止まり、それ以上、関節破壊が進まない状態です。

▼機能的寛解
日常生活に支障がない状態です。臨床的寛解と構造的寛解を実現し、最終的に目指す段階です。

関節リウマチは、治療を早く行うほどその効果が期待できます。骨びらんが多数できて、関節の変形が見られるようになると、 日常的な動作が不自由になり、機能的寛解を目指すのが困難になります。 発症してから2〜3年くらいまでの間(骨びらんが増える前)に炎症を止めれば、臨床的寛解、構造的寛解、機能的寛解の 全てが目指せます。しかし、発症してから長期間が過ぎ、骨びらんが多数できた状態からでも、臨床的寛解や構造的寛解を 目指すことができます。関節リウマチになるきっかけや、症状に思い当たる場合は、一日も早く医療機関を受診し、 できるだけ機能的寛解を目指してください。



●関節リウマチの治療



●関節リウマチ関連項目



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