関節リウマチ発病後の対策

病気を悪化させないためには、寝室などの生活環境の改善や、関節に負担をかけない生活動作の工夫をすることも大切です。 そして、前向きに病気と立ち向かうためにストレスも溜めないようにしましょう。


■関節リウマチ発病後の対策

●ストレスを溜めずに病気に対応

【病状が悪化してもプラス思考で考える】

関節リウマチは、患者さんの精神状態によって病状が悪化したりよくなったりすることが、よく知られています。 病気がストレスになり、関節リウマチの初期や進行期では、今後のことを考え、精神的に不安定になりがちですが、 それはプラスにはなりません。ストレスを溜めずに病気に向かう合うというのは、もちろん簡単ではありませんが、 病気や治療についてきちんと理解することや、病状が悪化しても、「まだ大丈夫」とプラス思考で考えることが大切です。

【一人で悩まず、語り合える仲間づくりを】

また、一人で悩まないことも大事で、病院での集団リハビリなど同じ病気を持つ患者との交流に参加するのもいいでしょう。 家族にも話せなかった病気の苦しみも同じ病気を持った人になら打ち明けることもできますし、連帯感も持てます。


●安全で使いやすい生活環境の改善

【ベッド、布団、枕を工夫して過ごしやすい寝室に改善】

布団の上げ下ろしは大変な負担になるので、寝るのはできればベッドにしてください。 敷布団は硬めのマットレス、上に掛けるものは、関節保護のため、軽いものにします。枕も大切です。 高いものは、首が前屈するので、低く小さなものにして、頚椎を守ります。

【台所は座って作業ができるように工夫】

主婦なら、料理をするための台所を使いやすいようにしましょう。 コンロ、流し台、調理台の高さを同じくし、流しの下に膝が入るぐらいのスペースを取ります。 作業は椅子でします。椅子は背もたれのあるキャスター付きのものにすると台所内の移動が楽になります。 ワゴンも料理を運ぶ時などで役立ちます。

【トイレや浴室も安全で楽に利用できるように】

トイレや入浴は、多くの患者さんは人に頼らず、自分でできることを望みます。 そのためにも、トイレ、浴室にも工夫が必要です。まずトイレは洋式にしてください。 便座の高さは48cmくらい。温水洗浄器を付けると手に変形のある人には便利です。 ペーパーホルダーや洗浄器のボタンは、手が自由に使える側にまとめて設置してください。 浴室の脱衣所は、服が無理なく脱げるように広さを確保します。 浴室には、必ず滑り止めマットを敷くとともに、浴槽と同じ高さの台か腰掛を用意します。 壁にはしっかりした手摺をつけ、これらを利用して浴槽に入ります。 さらにシャワー用の椅子や、関節に負担をかけないポンプ式のシャンプーボトル、 長いボディブラシなども用意しておくといいでしょう。


●痛みを軽くし、変形を予防する生活動作

【座面が硬く、深くない椅子にチェンジ】

関節リウマチの人は、なるべく椅子に座る生活をしましょう。椅子は座面が硬くあまり深くないものにします。 高さは、座って足を床につけたとき、膝が90度程度になるのがいいでしょう。

【荷物を持つときは、大きな関節を使用】

荷物を持つときは、指などの小さな関節より、肩などの大きな関節を使うようにしてください。 軽い荷物を持つときは、肘に掛けるか、手先ではなく手のひらを使って両手で持つようにします。 また、スプーンやフォークは握って持てるものにしましょう。 また、タオルや雑巾での拭き掃除のときは、関節を守るために、手首を強く曲げないように行ってください。