【質問】血小板の数値が高いのですが、経過観察で大丈夫でしょうか?
ここ数年、血液検査の血小板の数値が38~40万台前半/μLと高くなり続け、最近は46.4万/μLでした。
医師から心筋梗塞などの予防のため、水分を多く摂るように言われましたが、このまま経過観察でよいでしょうか?
●64歳・男性
●162cm・49kg
●クレストール、ザイロリックを服用中
【答】
結論から言えば、まずは経過観察でよいと思いますが、半年~1年後に血液検査の再検査を受けられるのが良いと思います。 再検査で血小板に改善傾向がみられる場合は、そのまま経過観察を続けますが、もし増加傾向があれば、血液内科で精密検査を受けてください。 血小板の基準値(聖路加国際病院の場合)は16.0万~39.0万/μLで、ご質問者の場合は、基準値より少し多いということになります。 血小板が高度に増加すると血栓ができやすくなり、 血栓症(「脳梗塞」や 「心筋梗塞」)などの原因になりますが、 基準値より少し多いからといってすぐに危険ということはありません。 血小板が増加する原因は、大きく分けて2つあります。一つは「反応性増加」といって、 他の病気(鉄欠乏性貧血や 炎症性疾患など)が原因で血小板が増える場合です。 この場合、血小板の増加は比較的軽度で、増加が何年も続くことはほとんどありません。 稀に「悪性腫瘍」が隠れていることがあり、 この場合は血小板数が慢性的に増加することがあります。 もう一つの原因は、血小板を作る骨髄に病気がある場合で、「本態性血小板症」がその代表です。 その他の骨髄の病気では、白血球が増加したり、白血球の中身に異常があったり、赤血球が増えたりします。
ご質問者の血小板数が今後、減少傾向になれば、反応性増加であったと判断し、徐々にでも増加傾向になれば、まず本態性血小板症を疑います。 ただ、大切なことは、血小板数が基準値より多いかどうかではありません。そのことが血栓症の危険性を高めるかどうかです。 御質問者は、クレストールとザイロリックを服用されていることから、 「脂質異常症」と 「高尿酸血症」 があることが推察できます。脂質異常症や高尿酸血症、また喫煙、 「肥満」 「高血圧」「糖尿病」などがあると、 「動脈硬化」を進行させます。 動脈硬化が進行すると、血小板数に関わらず血栓症を起こしやすくなるので、 これらの病気や生活習慣をきちんと管理することは、血小板数の管理以上に大切なことです。
(この答えは、2019年12月現在のものです。医療は日々進歩しているため、後日変わることもあるのでご了承ください。)