質問:皮膚筋炎・多発性筋炎の今後の経過が心配です
32歳の時に皮膚筋炎・多発性筋炎を発症し、ずっと治療を受けています。
ネットで病気について調べていると、
膠原病の平均余命は治療開始から25年前後とありました。
そうであれば余命はあと数年になるので、とても心配です。膠原病の合併症についても知りたいです。
●49歳・女性
【答】
始めに「膠原病」について説明します。 膠原病にはさまざまな病気が含まれています。それはちょうど心臓病の中に狭心症、弁膜症、心筋梗塞などたくさんの病気が含まれるのと同じです。 つまり、膠原病は”疾患カテゴリー”の名前であり、病気の名前ではありません。 膠原病にはさまざまな病気が含まれているので、その症状はさまざまです。 また、合併症、病気の進行、余命もさまざまです。それぞれの膠原病における余命についてはまだ十分に調査されているわけではなく、 ある程度データのあるものでも平均で示されています。 急速に早い寿命を迎える患者さんもいますし、天寿を全うする患者さんもいるのです。 その差は病気そのものの重症度、その病気の予後因子(余命に関わる所見や合併症など)、 膠原病とは関係しないその患者さんが持つ別の病気(併存症)などから生じるのだと考えられます。 また、国によっても違いますし、近年は医学の発達によって治療法が進歩し、生命予後は多くの膠原病で改善されていることから、 数年前のデータを今に当てはめることができにくくなっています。
皮膚筋炎・多発性筋炎の場合、余命に影響を与える因子としては、発症してから治療開始までの期間、悪性腫瘍の合併の有無、
間質性肺炎の合併の有無などが知られています。ですからここで余命について「平均何年」と書くことはできません。
ただ、今後のことは誰でも気になると思います。その場合は、ぜひ自分が持っている予後因子などを担当医に確認し、
今後の経過などについて相談されてはいかがでしょうか。きっと「ここまでは分かっているけれど、ここから先は不明」などということで、
「かなり幅の広い余命」を教えてもらえるかもしれません。
(この答えは、2024年6月現在のものです。医療は日々進歩しているため、後日変わることもあるのでご了承ください。)