慢性硬膜下血腫
『慢性硬膜下血腫』は、徐々に硬膜下に血種ができる病気です。
■症状と特徴
脳を包んでいるのは3層の膜で、表面から、それぞれ硬膜、くも膜、軟膜といいます。 このうち、硬膜とくも膜の間で出血し、血種ができるものです。 血種が脳を圧迫するので、頭痛や軽い麻痺などが起こります。 放っておくと脳圧迫が進行し、脳ヘルニアを来すこともあります。 頭部外傷2ヶ月くらいまでは、これといって問題がないようでも、おかしいと思ったら受診しましょう。 CTを撮ればすぐに診断がつきます。
■原因
原因は頭部外傷によるものが多いのですが、比較的軽度の傷のために、本人は覚えていないことも多くあり、原因不明の場合もあります。 一般に、60~80歳代の大量飲酒家に多いといわれ、けがをしてから数週間遅れて症状が現れます。
■治療
頭に小さな孔を開け、血種を吸引して洗い流します(血種吸引術)。早く発見して治療すれば、後遺症もほぼ治ります。 最近では漢方薬の有効性も報告されています。