水頭症
『水頭症』は、脳脊髄液の流れが障害される病気です。
■症状と特徴
脳脊髄液の流れが障害されると、脳室やくも膜下腔などの脳脊髄液腔が拡大して、頭痛、嘔吐、意識障害などの症状を引き起こします。
小児にみられる先天性水頭症には、中脳水道の狭窄による水頭症や先天性形態異常に伴う水頭症があります。
後天性水頭症には、脳腫瘍、脳内出血、外傷、髄膜炎などによるものがあります。
また成人にみられるものに正常性水頭症があります。
①小児水頭症
②正常圧水頭症
くも膜下出血、髄膜炎や外傷などに合併して起こることもありますが、原因を特定できない特発性正常圧水頭症の場合もあります。
特発性は高齢者に多く見られます。
正常圧水頭症では、脳脊髄液が溜まっているにもかかわらず随液圧は基準範囲にあります。
歩行障害、尿失禁、認知症が特徴的な症状です。
■原因
脳腫瘍、髄膜炎、頭部外傷、脳内出血、脳の形態異常などにより、脳脊髄液の産生が過剰になったり、脳脊髄液の吸収に障害が起こったり、 脳脊髄液の循環路の狭窄・閉塞による通過障害が生じたりして、脳室が拡大します。
■治療
頭部CTやMRIなどで診断しますが、症状によって治療は異なります。 頭蓋内に腫瘍や出血が生じ、脊髄液の流れが滞り、脊髄液を排出する必要がある場合は早急にドレナージ術を行います。 慢性的に脊髄液が溜まるような場合、脳室内の脊髄液を腹腔などに排出する短絡術(脳室・腹腔シャント術)を行います。 その後も定期的な診察を受けて、きちんと管理していくことが大切です。