高血圧対策に「口のコリ取りマッサージ」

速効性抜群!首のゆがみを取り高血圧を改善!口のコリ取りマッサージ


■歯の噛み合せ

首が緊張すると血圧にも悪影響!

歯の噛み合せは、普通考えられている以上に、私たちの健康状態に大きな影響を及ぼします。 顎関節症になったり、歯の調子が悪くなったりするだけではありません。 首や肩のコリ、耳鳴り、眼精疲労や目の痛み、頭痛、睡眠時無呼吸症候群など、さまざまな不定愁訴が起こってきます。 そうした症状の中でも、注目したいのが血圧との関係です。 噛み合わせが悪いために高血圧になっているケースも存在するのです。 このような不定愁訴訴える患者さんに対しては、噛み合わせを調整するかたわら、口の中のコリを取るマッサージが有効です。 実際にマッサージを行い、たちまち症状が楽になった患者さんは少なくありません。 そして、こうして噛み合わせの調整をすることで、高血圧が改善していくケースもあります。

なぜ、噛み合せが悪いと、こうした不定愁訴が起こったり、血圧が上がったりするのでしょうか。 それは、噛み合せが悪い多くの方が、首に負担のかかった生活を送っているためです。 噛むという動作には、非常に多くの筋肉が関わっています。 咀嚼筋の中の咬筋(頬骨と下顎骨の角に付着している筋肉)のほかにも、多くの筋肉が関係しているのです。 それらの筋肉は口の中だけではなく、首などとも連動しています。 舌の奥の筋肉群は、咽頭や後頭部、上部頸椎(首の骨)に人体や膜で近接し合い付着しています。

噛み合せの悪影響は、噛むときだけではありません。顔の向きとも関係します。 例えば、正しい姿勢を保つために顎を引いたとき、噛み合せの狂いで顎が後退している人は、 舌も後退して気道が狭くなっており、睡眠時無呼吸症候群になってしまうのです。首にも負担がかかります。 噛み合せが悪く、歯を噛み合せる筋肉が偏って緊張し、あごの位置に左右差や狂いが生じると、 首周りの筋肉群も過度に偏って緊張します。そして顎部の血行不全が生じ、さまざまな不定愁訴が生じるのです。
頸椎の1~6番には、脳に血液を送っている椎骨動脈が通っています。 ここの筋肉に緊張やゆがみが生じると、頚椎同士がねじれ位置になり、血管が圧迫され、脳に血液が送られにくくなります。 そうなると、体はそれに対して血圧を上げて十分な量の血液を送ろうと、頑張ります。 ですから、血管の歪みや圧迫を取り除かない限り、簡単には下がらないのです。
同様にそれらの歪みは、頚椎から出ている神経も圧迫するので、手足にしびれを起こしたり、 自律神経の働きを乱したりするでしょう。 これらの要因も重なって、血圧にさらに悪い影響が及ぶことになります。


■口のコリ取りマッサージ

咬筋をほぐせば多くの筋肉が緩む

こうしたケースでお勧めしたいのが、口の中のこった筋肉を直接揉み解す「口のコリ取りマッサージ」です。 まず、両手の指先を頬骨の下側のへこみに当て軽く押してみてください。 前後させて左右差があり、コリや痛みをより強く感じられる側がある場合は、コリのある側を重点的にマッサージします。 親指を歯の並びに沿って口の奥へと差し入れ、頬をつかむようにします。 歯茎のわきに縦に走っている太い筋肉がつかめます。これが咬筋です。 コリ取りマッサージでは、この咬筋が上下の歯茎に付着している付け根の部分をストレッチさせます。 とても痛いですが、咬筋のコリをほぐすと、それと連動している多くの筋肉の緊張も緩めることができます。

もちろん噛み合せの悪さ自体は、歯科治療によって修正する必要があります。 しかし、緊張している口腔内の筋肉のコリをほぐすことは、さまざまな不定愁訴の軽減に役立つのです。 マッサージによって、口や首の緊張が取れると、首が楽になり、血圧にもよい影響が現れます。 しかもこのマッサージは即効性があります。試にマッサージを行う前に、口の開き具合や首のコリ具合を確認してください。 マッサージ後には、口が前よりも開くようになり、首も動くようになっているはずです。 人によっては、目がスッキリし、よく見えるという人もいるのです。 マッサージの際、指で筋肉をこすってはいけません。 あくまで咬筋の付け根をつかんで、ストレッチさせるように外側に向かって引くように刺激するだけにとどめてください。 親指の爪は切り、手を洗ってから行います。口のコリ取りマッサージは、入浴中などに行うとよいでしょう。 頭痛や肩こりなど、つらい時にやってもいいと思います。