高血圧対策に「ふくらはぎマッサージ」

その場で血圧が下がる!高血圧患者に病院で指導している「ふくらはぎマッサージ


■「ふくらはぎマッサージ」とは?

血管を広げるホルモンが多く出る

「ふくらはぎマッサージ」は、故・石川洋一先生が考案された健康法です。 その名の通り、ふくらはぎを自分で揉んでマッサージします。 さらに、体の末端から血液の循環を促すため、ふくらはぎマッサージとセットにして「足の指揉み」と「足首回し」もするとさらに効果的です。

まず、「足の指揉み」をします。足の指を1本ずつ、よく揉みほごすのです。 次は、「足首回し」です。足首をグルグルと、十分に回します。 最後に、「ふくらはぎ」を、血流を促すイメージでしっかり揉むのです。

ふくらはぎマッサージを行うと、その場で血圧が下がります。これはどうしてなのでしょう。 私たちの体内を巡る血液は、その70%が、下半身に集まっています。 足に運ばれた血液は、ふくらはぎの筋肉の「ポンプ作用」のおかげで、重力に逆らって心臓に送り戻されます。 しかし、ふくらはぎの筋肉が硬い人、筋肉量が少ない人、足に冷えがある人などは、ポンプ作用が弱いので、 静脈の血流が悪くなりがちです。

そこで、ふくらはぎを揉んで、ポンプの働きを助けてあげます。 すると、スムーズに上半身に血液が戻るようになり、全身の血行が良くなるのです。 また、心臓へ戻る血液の量が増えると、「心房性ナトリウム利尿ペプチド」という、 心房(心臓の上側の器官)から出るホルモンが、多く分泌されるようになります。 これは利尿をもたらすホルモンですが、血管を拡張する作用もあります。 当然血流はよくなりますから、このホルモンの分泌は血液の調整にも重要というわけです。

さらに、体をマッサージするという行為そのものが、高血圧の改善につながります。 これは、足のふくらはぎをさすることで、無意識のうちに自律神経に良い影響が及びます。 加えて、マッサージにより血行が改善し、足の冷えが取れれば、体がポカポカになり、 これもまたリラックス効果を生み出します。交感神経の過度な緊張を取り除き、自律神経を整えるので、 こうした意味でもふくらはぎマッサージは、高血圧の改善に有用なのです。