コントロール不良高血圧に「腎臓トレーニング」

腎臓病の7割は進行が止まり、コントロール不良高血圧も下がると『腎臓トレーニング』が評判。


■腎臓の糸球体の血液濾過機能が低下する

腎臓病の人のクレアチン値は下がらない、というのが世間の常識です。 しかし、私たちのクリニックでは、近年、急増している慢性腎臓病の治療で顕著な成果を上げており、 患者さんの多くにクレアチニン値の低下が見られます。クレアチニン値とは、腎臓病の進行度を示す指標です。 クレアチニンは、アミノ酸が筋肉でエネルギーとして燃焼された後に生じる老廃物ですが、 本来は腎臓の糸球体(血液を濾過して老廃物を取り除く毛細血管の塊)で濾過されて尿中に排出されます。 ところが、糸球体が衰えるとクレアチンを濾過しきれなくなり、血液中のクレアチニン値が上昇してしまうのです。

実は、2008年からeGFR(クレアチニン値を基準に年齢と性別を考慮して計算された糸球体濾過量の換算値) という検査値が腎臓病の指標になりました。しかし、患者さんの多くは、 その前からクレアチニン値で腎臓病の改善度を測っているため、 私たちは主にクレアチニン値を指標にしています。

■ふくらはぎ・足裏・脊髄を微弱電流で刺激する

私たちが行っている治療の柱は、「内臓トレーニング」という西洋医学と東洋医学を融合させた統合医療で、 慢性腎臓病の薬物療法や食事療法の効果を高めるうえで非常に効果的です。 この腎臓の新しいトレーニング法は、血流と自律神経のバランスを回復させることで私たちの体に備わった自然治癒力を高め、 さまざまな病気の改善に役立てようとするものです。 具体的には、内臓トレーニングは特殊な低周波治療器を使って行われます。 この治療器は縦横が30cm、厚さ5cmほどの大きさで、家庭用体重計と似た形状です。 この治療器を使って、次の3つの部位を刺激します。

▼ふくらはぎ刺激
第二の心臓ともいわれる、ふくらはぎを刺激します。仰向けに寝てもらい、両足のふくらはぎを治療器に乗せながら 微弱な電流を流します。1回に30分ほど刺激をすると5千歩歩いたのと同程度にふくらはぎの運動効果が得られ、 全身の血流が促された結果、体温は平均0.5℃上昇します。

▼足裏刺激
足の裏には反射区があり、ここに微弱な電流を流して刺激します。 反射区とは、さまざまな器官とつながる神経が集中している部分で、反射区を刺激すると、 その部分に対応した内臓が活性化しやすくなるのです。

▼脊髄通電
治療器から出た2本のリード線の先端を首の後ろと背骨の特定部位に張り付けて通電し、 自律神経がバランスよく働くように調整します。