先付トマト食事法【高血糖対策・糖尿病予防に】①
糖尿病の食事療法は、糖質制限もカロリー制限も不要で、 血糖値を確実かつゆっくり下げる『先付トマト食事法』こそ簡単No.1!!
■健診では見つかりにくい食後高血糖
あなたは、健康診断で測定した「空腹時血糖値」が正常だから、あるいは下がったからといって安心してはいませんか。
健康診断で通常行われる空腹時血糖値の測定は、高血糖や糖尿病を見つけるための基本的な検査ですが、
実は、それだけでは把握できないタイプの高血糖があります。それが、最近特に注目されている「食後高血糖」です。
食後高血糖とは、食事の後に血糖値が異常に高くなる状態のことです。
食事をすれば誰でも血糖値が上がりますが、インスリンの分泌や働きが異常なら、血糖値の上昇は穏やかで、すぐに正常値に戻ります。
ところが、インスリンの分泌が遅れたり分泌量や働きに異常が生じたりしている人の場合、食後の血糖値が急上昇したまま、
正常値までなかなか下がらなくなります。
こうして高血糖の状態が長く続くと、血管壁が傷つけられて、動脈硬化が進みます。
それも食後に何度も血糖値の急上昇が繰り返されることで、太い血管で深刻な動脈硬化が起こるようになります。
実際に、福岡県久山町で行われた調査では、食後高血糖の人は、健康な人に比べて心筋梗塞や脳卒中の発症率が
約2倍になることがわかっています。
そればかりではありません。食後血糖値が高くなると、糖とタンパク質が結合して、老化物質とも呼ばれる特殊なたんぱく質
「AGE(糖化最終産物)」が大量に作られます。AGEは体内のさまざまな組織を老化させます。
皮膚の弾力性がなくなったり、目では老眼が進んだり、網膜症や白内障を招いたりします。
骨がもろくなる骨粗鬆症になりやすくなるほか、動脈硬化が進んで、糖尿病のさまざまな合併症も起こりやすくなります。
食後高血糖が厄介なのは、最初に述べたように空腹時血糖値だけを検査する一般的な健康診断では、見逃されやすいことです。
そのため、食後高血糖は「隠れ糖尿病」とも呼ばれて、気が付いたときには糖尿病が進行して
合併症を招いていることも少なくありません。なお次のような症状や習慣のある人は食後高血糖(隠れ糖尿病)になりやすいので
注意してください。
- ▼親が糖尿病を患っている
- 両親ともに糖尿病の場合はなんと75%の確率で、片方の親のみの場合は25%の確率でその子供が糖尿病を発症するというデータがあります。 糖尿病になりやすい人は、食後高血糖にもなりやすいタイプといえます。
- ▼空腹時血糖値が基準値内だが高めの値である
- 食事を摂ればだれでも血糖値は上昇しますが、空腹時でも基準値ギリギリ(110ミリ付近)の人は、 上昇の度合いがかなり大きい可能性があります。
- ▼ヘモグロビンA1c値が高めの値である
- ヘモグロビンA1c値(新基準値では6.5%以上で糖尿病と診断される)は、過去1~2ヶ月間の血糖値の状態を示しています。 空腹時血糖値が低くても食後血糖値が高ければヘモグロビンA1cも高めになります。
- ▼早食いで食べる量が多い
- 早食いは糖尿病を発症する危険度を高めることがわかっています。 特に炭水化物(糖質)ばかりを勢いよく食べれば、血糖値が上昇するばかりか、肥満も招きます。
他にも、食後に強い眠気に襲われる人やのどの渇きやすい人、肥満、運動不足の人なども食後高血糖になりやすいようです。
■食習慣を無理に変える方法は失敗しやすい
血糖値を上昇させるのは、食べたもの、つまり食事です。食事の中でも糖質を多く含む食べ物が血糖値を上昇させるのです。 健康であれば、糖質が多く含まれる食べ物をいくら食べても、すぐにインスリンが分泌されるので血液中のブドウ糖の濃度は 一定に保たれています。しかし、糖尿病や糖尿病予備軍の人は、インスリンがうまく分泌されなかったり、 働きが十分でなかったりするので、糖質の多い食べ物を食べるとすぐに血糖値が上がってしまいます。 だからといって、糖質を全く摂らなければ、エネルギー不足に陥ってしまう危険性もあります。
これまでの糖尿病の食事療法では、カロリー制限が第一でした。最近は糖質を厳格に制限する食事法も話題になっています。 いずれも、食後血糖値の低下に一定の効果を示す方法ですが、私は糖尿病を克服するための最もいい方法とは考えていません。 というのも、どちらの方法も継続率が低く、脱落・失敗する人が後を絶たないからです。 こうした食事療法がうまくいかないのは、やり方がわかりずらく難しいということもありますが、 何より、長年親しんできた食習慣を無理に変えて、食事の楽しみや満足感を奪ってしまうことにあります。 こうした食事療法の問題点について、次の項でさらに詳しく述べましょう。