先付トマト食事法【高血糖対策・糖尿病予防に】③

先付トマトは米や麺が好きな日本人の糖尿病に劇的に効く食事法で、改善率はほぼ100%。


■発症後10年経過した患者さんでも改善

「食事内容は今までと同じで結構です。ただ一つ、食べる順番を変えてください。 まずトマトと野菜から、その次におかず、最後にご飯の順番です。 糖尿病の患者さんにこう指導すると、ほとんどの人は「そんな簡単なことで血糖値が下がるのか」と疑います。 カロリーを制限したり、糖質を制限したり、まず制限ありきの食事療法を行って挫折してきた人も多いので、 疑い深くなるのも仕方のないことでしょう。

日本人は、古くから米や麺類といった糖質を主食としてきており、糖質制限のように主食を制限する食事法は、そもそも不向きなのです。 人は長年の習慣をなかなか捨てられないものです。特に幼いころから慣れ親しんだ食事の習慣であれば、なおさらです。 こうした日本人の食習慣を崩すことなく、しかも、食べる食品を制限しない栄養バランスにも優れた食事法が「先付けトマト」です。 先付けトマトは、食事の際に野菜を先に、糖質を最後に食べるという「食べる順番療法」の考え方をもとに、 さらに効力アップを図った食事法です。

先付けトマト法は、従来のカロリー制限による食事療法などでは見逃されていた「食べる順番」を改善する食事法です。 その効果には目を見張るものがありました。私は詳しいデータを得るために、糖尿病患者さんを対象に、 先付けトマトを行ったグループ196人と、行わなかったグループ137人に分けて、血糖値などの変化を2年半にわたって調べてみました。 すると、先付けトマトを行ったグループは、1ヶ月の検診からヘモグロビンA1cが下がり始めています。 こうした傾向は、軽症の患者さんはもちろん、ヘモグロビンA1cが10%を超えているような患者さんでも同様でした。

糖尿病を発症してからの期間と、先付けトマトによる血糖値低下の関係を調べてみたところ、発病してから10年以上経過した 罹患期間の長い患者さんでも、高血糖が改善していました。また、血糖降下薬による治療やインスリン療法を行っている 患者さんの場合でも改善しています。ただし、発症して5年未満の患者さんの方が、血糖値が低く安定しやすいようです。


■高血圧や高脂血が改善する人も多い

私のクリニックでは、基本的に、いきなり薬を処方するようなことはありません。 それは、食事療法だけでも血糖値が下がるからです。 医師の中には、食事指導を十分に行わず、いきなり薬を処方してしまうところがあるかもしれません。 確かに薬を使うと血糖値は下がります。しかし、最近の研究では、薬を使っても半年以上経過すると血糖値が再び上昇し始め、 量を増やしたとしても、また効きが悪くなることなどがわかってきているのです。

先付けトマトであれば、薬に頼ることなく血糖値をコントロールできます。 そして、患者さんの多くは、血糖値の低下を実感して、積極的・自主的に取り組むようになります。 しかも効果は高血糖の改善だけではありません。高血圧や高脂血症、肥満などが改善する人も少なくないのです。 詰まり、先付けトマトを行うだけで、心疾患、脳血管疾患を引き起こす生活習慣病のリスクを軒並み軽減させてしまうのです。

糖尿病の治療は、多くの場合、一生続ける必要があります。いくら効果のある方法でも、患者さんが継続できなければ、 まったく意味がありません。その点、先付けトマト法は1年後の継続率がなんと約98%です。 これは食品交換表を用いた栄養指導を1年間継続できた患者さんが約28%しかいなかったことから考えると、 驚くべき数字です。しかも、ヘモグロビンA1cが下がった患者さんは約97%に達し、ほぼすべての人に改善がみられたのです。 さらに、2年後まで継続できた患者さんの割合も約94%と非常に好成績です。 このように長期にわたって続けられるのは、先付けトマトには面倒なカロリー計算や食事制限がなく、 食べる順番を変えるだけのシンプルな食事法だからでしょう。