耳鳴り・難聴対策に『糖質制限』②
砂糖たっぷりの菓子・ジュースを抜く糖質制限で耳鳴り・難聴の回復する人が多い。
■炭酸飲料や果汁飲料、乳飲料は避けるべき
以下は某クリニック院長が行っている治療法・意見です。
耳鳴りや難聴がひどいと感じている人には、糖質過多の傾向にあるという共通点があり、そのために日常生活で糖質を控える 必要があります。私が言う糖質は基本的に生成された砂糖(白砂糖)が使われたもので、必ず控えてほしいものは菓子とジュースです。 菓子は、アイスクリーム・饅頭・チョコレート・アメ・クッキー・ケーキなどを指します。 これらの菓子には、砂糖がたっぷり使われています。また、ジュースは基本的に味や色が付いた飲み物と考えてください。 具体的には炭酸飲料や果汁飲料、乳飲料などが当てはまります。紅茶やコーヒーの場合、完全に無糖なら問題ありませんが、 少しでも砂糖が入っている場合はジュースと考えてください。 なお、菓子やジュースの中には、砂糖の代わりに黒砂糖やハチミツを利用しているものもあります。 黒砂糖やハチミツを利用した菓子・ジュースは、生成された砂糖を使ったものより糖質量は少ないといえます。 しかし、黒砂糖もハチミツも糖質が多いので、これらを用いた菓子やジュースを摂れば血糖値が上がってしまいます。 すでに耳鳴り・難聴がひどいという人は、血糖値の乱高下を招かないために、黒砂糖やハチミツを用いた菓子・ジュースでも 摂取は極力避けてください。
また、近年、砂糖ではなく、キシリトールなどの人工甘味料が使われた菓子やジュースも増えました。 人工甘味料は、砂糖の200~300倍もの甘みを持つように人間の手で作られた砂糖の代用品。 人工甘味料は、摂取しても血糖値の上がらないものが多いとされますが、長期間の摂取が体にとっていいのか、悪いのかという 根源的な問題点があります。この問題点について研究が不十分であることから、私自身は「人工甘味料は薬品」と考えていて、 摂取を勧めていません。
◆口寂しいならスルメや煮干しを食べよう
一般に、糖質制限食は1日に摂取する糖質を極めて少なくする食事法で、基本的には高血糖・糖尿病の治療食として知られています。 この糖質制限食では、菓子やジュースはおろか、三度の食事でも糖質が多い主食や野菜、果物などを抜いたり控えたりする必要があります。 しかし、私が進めているのは、三度の食事以外で摂る菓子やジュースを控えること。 つまり、本来の糖質制限食よりも控える糖質がチョッピリの「プチ糖質制限」です。 高血糖や糖尿病と診断されていなければ、三度の食事で血糖値が上がってもかまいません。 血糖値が上がるのは、ごく普通の反応です。三度の食事で血糖値が上がっても、食後から次の食事まで菓子を食べたり ジュースを飲んだりしなければ、血糖値は順調に下がっていき、再び、血糖値の急上昇することがなく、 血糖値の乱高下も起こらないのです。そのため、脳内ホルモンや自律神経のバランスは乱れることがなく、 しかも乱れたバランスも整ってきて、脳や耳の神経が回復し、ひいては耳鳴り・難聴がよくなってきます。 なお、これまで菓子やジュースを摂ってきた人が直ちにやめるというのは、簡単ではないでしょう。 どうしても口寂しいときは、スルメや煮干しなど、砂糖が使われていないものを食べるようにしてください。 また、水や野菜、無糖の紅茶・コーヒーで空腹を紛らわせるのも一つの手です。
●三度の食事ではビタミン・ミネラルも補う
耳鳴り・難聴がひどい人は、以上のようにまず菓子・ジュースを控えるプチ糖質制限を行います。 そうすれば、きっと耳鳴り・難聴が改善してきます。 加えて、食生活を少しだけ見直してもらうと、耳鳴り・難聴の改善効果はさらに高まるといえます。 私が進める食生活のポイントを述べておきます。
まず、主食はビタミンやミネラルなどの栄養が多く含まれる発芽玄米や玄米、雑穀米を取り入れること。 次に、おかずでは焼き魚や刺身、煮魚などの魚料理を中心にし、トマトやブロッコリー、カボチャなどのサラダも加えること。 果物も普通に食べること、などです。
これらのポイントを守れば、体内で不足がちなビタミン・ミネラルが補えて体はより若々しくなり、 耳鳴り・難聴も一段とよくなるでしょう。私の治療では、患者さんの症状に合わせて、水素温熱免疫療法(超高濃度水素水を 用いた温熱療法)やリンパケア、鍼灸治療などを行っていますが、こうした治療と共にプチ糖質制限食を実行すれば、 耳鳴り・難聴の大きな改善につながります。