ミネラルウォーターの選び方

ミネラルウォーターを選ぶ際には、品名、原材料名、採取地、処理法、硬度などが参考になります。 また、ミネラルウォーターの中には、血糖値を下げたり、老廃物の排出を促進するものなどもあります。


■ミネラルウォーターを選ぶときの留意点

現在、国産・輸入品をあわせて約500銘柄のミネラルウォーターが流通しているといわれていますが、 どうやって選んだらいいのでしょうか。ミネラルウォーターのラベルにはさまざまな情報が記載されているので、 次のようなことを理解しておくと選ぶときの参考になるでしょう。

●品名
農林水産省が定めたガイドラインにしたがってラベルに表示されています。
【ミネラルウォーター類の分類(農林水産省が定めたガイドラインによる)】
ナチュラルウォーター 特定の水源から採取された地下水を原水とし、沈殿、濾過、加熱殺菌以外の物理的・化学的処理を 行わないもの。
ナチュラルミネラルウォーター ナチュラルウォーターのうち、地層中の無機塩類が溶解した地下水(天然の二酸化炭素が溶解し、 発泡性を有する地下水を含む)を原水としたもの。
ミネラルウォーター ナチュラルミネラルウォーターを原水とし、品質を安定させる目的等のためにミネラルの調整、 ばっ気、複数の水源から採水したナチュラルミネラルウォーターの混合等が行われているもの。
上記以外のもの 「飲用水」または「ボトルウォーター」と記載

●原材料名
鉱水、鉱泉水、湧水、温泉水、浅井戸水、深井戸水、伏流水などの種類が記載されています。

●採水地
採水地とその周辺の環境がどんなところか確認しましょう。

●処理法
加熱・非加熱、濾過除菌、紫外線殺菌、オゾン殺菌などがあります。 日本では過熱や濾過での殺菌・除菌を義務付けていますが、例外として源泉から直接瓶詰めされ、 有害菌に汚染されていなければ、無殺菌でも許可されます。EU加盟国では加熱殺菌を禁じています。

●硬度
日本ではミネラルのうちカルシウムとマグネシウムの合計量を炭酸カルシウム量に換算した数値で硬度を表しており、 ミネラルを多く含むほど硬度が高くなります。
水はミネラルを適度に含んでいないとおいしいと感じられず、ミネラルが多すぎると苦味や渋みを感じるようになります。
【日本での一般的な軟水・硬水の分類】
軟水 硬度100mg/l未満 日本の水は軟水が多い。日本人になじむ柔らかな味。緑茶、和風だし、野菜料理などに適している
中硬水 硬度100〜300mg/l未満 硬さとまろやかさを併せ持ったもの、キリッとしたもの、渋みを感じるものなど 商品によって味の幅が広い。コーヒー、肉料理などに適している。
硬水 硬度300mg/l以上 癖のないものから、渋み、苦み、酸味、塩味などを感じるものまでさまざま。 ミネラル量が最も多い。エスプレッソコーヒー、パスタをゆでるときなどに適している。

●ミネラルの含有量とバランス

水の性質や味を決定する要素の一つが、ミネラルの含有量とバランスです。 通常、カルシウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウムの4種類のミネラル含有量が記載されています。 これらの一般的なミネラルのほかに、希少なミネラルを含んだミネラルウォーターもあります。 最近話題になっているものには、バナジウム、サルフェート、ケイ素などがあります。

カルシウム
『カルシウム』は、骨の形成にとって必要不可欠な成分で、骨粗鬆症予防対策のためには、カルシウムの摂取は必須です。 特に妊娠中の女性は通常の約2倍の量を摂取する必要があります。 また、カルシウムが不足するとイライラを引き起こしたり、動脈硬化が進行して高血圧・脳梗塞を招くこともあります。 さらに、カルシウムは、リンとのバランスをとっているミネラルで、 加工食品や外食が中心ではどうしてもリンが過剰に摂取してしまうので、 その均衡を保つためにもカルシウムを摂取する必要があります。 カルシウムが持つ重要な働きは、マグネシウムとのバランスでより高められます。

マグネシウム
『マグネシウム』は、体内のエネルギー分子ATPの産出に必要で、 また体内の酵素を活性化させる作用があります。 カルシウム、ビタミンC等の代謝に必須です。また筋肉をリラックスさせる効果もあります。 ストレス、アルコール、インスタント食品はマグネシウムを排出を増し、マグネシウム不足を引き起こします。 マグネシウムの効能としては、心臓病・高血圧を防ぐ、血中コレステロールを減らす、 手のふるえ・てんかん・ひきつけを防ぐ、胃酸過多に効く、脳の働きを円滑にする、 皮膚を健康に保つ、頭痛を緩和させるなどの効果があります。 また、カルシウムと一緒に摂取する事により、循環系の健康を増進させ、 心臓発作、カルシウムの沈着、腎臓結石を防ぎます。

カリウム

▼ナトリウム

バナジウム
バナジウムは血糖値を下げるという研究が進められており、注目されています。 日本では富士山麓の伏流水などにバナジウムを含んでいる天然水があります。

▼サルフェート
サルフェートは利尿効果により、血液中の老廃物の排出を促進するといわれています。 ヨーロッパのミネラルウォーターにサルフェートを含有しているものが多く、 日本では温泉水や鹿児島県の霧島、熊本県の阿蘇などの天然水にサルフェートを含むものがあります。

ケイ素
ケイ素はカルシウムの吸収を高めて骨を強化する、腱や髪、爪などを丈夫にする働きがあるといわれています。

▼その他
栄養成分ではありませんが、炭酸ガスを含んだミネラルウォーターもあります。 日本では今のところ少数派ですが、ヨーロッパなどでよく飲まれています。 泡の飲み心地が好きな人、硬度が高くなっても発砲水だと飲みやすいという人などに人気があります。

●関連項目