コレステロールを下げる薬④「陰イオン交換樹脂(レジン)」

陰イオン交換樹脂(レジン)』は、コレステロールが小腸で吸収されるのを抑えることで、LDLコレステロール値を下げます。


■小腸に排出された「胆汁酸」を吸着し、便と一緒に排泄する

胆汁酸に含まれるコレステロールは、小腸に排出された後、再吸収されて肝臓に戻り、再び胆汁酸の材料になります。 陰イオン交換樹脂は、小腸に排出された胆汁酸を吸着して再吸収を妨げることで、LDLコレステロール値を下げます。 再吸収されなかった胆汁酸は、便として排泄されます。 日本では現在(2008年)、「コレスチラミン(商品名クストラン)」と「コレスチミド(商品名コレバイン)」が使われています。


■LDLコレステロール値を17~18%ほど低下させる

陰イオン交換樹脂の作用の仕方はエゼミチブと似ていますが、エゼミチブがコレステロールを吸収する”取り込み口”を塞ぐのに対し、 陰イオン交換樹脂はコレステロールがその”取り込み口”に近づかないようにするという違いがあります。 効果もほぼ同等で、LDLコレステロール値を17~18%ほど下げる効果が期待できます。

●副作用

陰イオン交換樹脂は体に吸収されないので、比較的安全性が高いのですが、便秘や「お腹の張り」などの 消化器症状が起こる場合があります。また、その性質上、他の薬を吸着・排泄して、その薬の効果を落とすこともあります。 陰イオン交換樹脂は1回あたりの服用量が多く、飲みにくいのが難点です。 安全性の高さから高齢者にもよく使われるのですが、嚥下機能が衰えている高齢者などでは、 「誤嚥性肺炎」などに特に注意が必要です。

陰イオン交換樹脂はスタチンと併用することも多く、特に「家族性コレステロール血症のヘテロ型」の治療には、 スタチンとの併用が欠かせません。しかし、その飲み難さから、エゼミチブの使用実績が蓄積されていくにつれて、 徐々にエゼミチブに置き換わっていくだろうと考えられています。