ストレスを溜めてしまった時の解消法(対処法)

ストレスが溜まってしまったときの対処法の基本はまずは「休息」と「睡眠」。 根本原因となるストレス状態からの脱却です。 また、物事を前向き、肯定的、楽観的に捉えるようにすることも重要です。 ストレス解消のために喫煙や飲酒をすることは控えたほうがよいでしょう。


■十分な睡眠で体を休める

体の声を素直に聴く

ストレスを緩和の基本はまずは「休息」と「睡眠」で脳を休めることが重要です。 ストレスと睡眠は密接に関わっており、ストレスがかかるとうまく寝付けなかったり、夜中に起きてしまうようになります。 すると、脳が十分に休めず、脳の機能低下が起こってしまうのです。 具体的には、過労を改め、悩みの解決に努めながら、自律神経のリズムに合わせた、早寝早起き生活を心がけましょう。 こうして十分な睡眠時間を確保し、朝までぐっすり眠れるようになれば、自律神経の調整力も回復した証拠です。 日中の血圧は高くても、その後もたっぷりの睡眠でバランスをとっていれば、健康上の問題はないはずです。 血圧が原因で、脳梗塞などの病気になるのも、 その「眠りなさい」という体の声に耳をふさぎ、無理を重ねた場合です。 体調の変化として現れる自律神経の呼びかけに、素直に耳を傾け応じていけば、人間はそう簡単には病気にはなりません。 場合によっては、1週間程仕事を休みタップリ睡眠を取りましょう。 丸1日寝ていても構いません、ゆっくり休める環境がストレスの解消には必要です。 ストレスによる睡眠不足を解消するには次のようなポイントを押さえて、良質な睡眠をとることを心がけましょう。

▼日の光で「体内時計」を整える
起床してすぐに日の光が目に入ると、1日のリズムを刻む体内時計がリセットされて、体が活動的になります。 毎朝、一定の時刻に起きて体内時計を整えることが、良質な睡眠に繋がります。

▼日中は活動的に過ごす
脳は、起きて活動していると次第に疲れてきます。すると、「睡眠物質」と呼ばれる物質が脳に溜まり、脳を休ませるために眠気が起こります。 日中、頭を活発に働かせて活動的に過ごすと、睡眠物質が多く溜まるため、夜の寝付きがよくなるのです。

▼夜は”移行期”が必要
睡眠には自律神経が関わっています。自律神経には、眠りに就く前後で、交感神経が優位な状態から副交感神経が優位な状態へと移行します。 副交感神経が優位になると、リラックスできて寝付きがよくなり、深い睡眠も得られるようになると考えられています。 この”移行期”を、意識的に作ることが大切です。

▼休日も、朝は一旦起きる
休日に遅くまで寝ていると、日の光を浴びるタイミングがずれ、体内時計のリズムが乱れてしまいます。 長めに寝たい場合でも、一旦起きて日の光を浴び、体内時計を整えたうえで、昼寝するようにしましょう。

■考え・行動を変える

物事を前向き、肯定的、楽観的にとらえる

ストレスをためやすい人は、ひたすら我慢をし、他人を意識しすぎる、完璧主義なタイプの人に多いようです。 自分を分析し、当てはまるようならもっと気楽な考え方に転換して行くようにしましょう。 悩みや不安、悲しみなどマイナスの感情は、自分の中に押さえ込んでいるとますます増幅してしまいます。 身近な信頼のおける人に話してみるだけでも随分と気分が晴れ、ストレスが解消されるものです。 一番良いのは、ズバリ「自分のやりたいことをする」こと。とはいえ社会で過ごす上では、なかなかそうもいきません。 しかし嫌なことはハッキリNOと言い、自分の好きなことを優先するようにすれば、 ストレスは溜りにくくなります。「自分は自分、人は人」と思えるようになれば一安心です。

また、「物事を前向き、肯定的、楽観的にとらえるとよい」といわれています。 「面白いことや楽しいことを予期するだけで免疫力が向上し、欝や疲れを改善できる」という実験報告や、 「冗談をよく言う人は、心筋梗塞になりにくい」という研究報告もあります。 さらに、「趣味や楽しみ、生きがいを持つ」ことや「時には羽目をはずす」 ことなどの生活習慣の改善によって解消する方法があげられます。


■その他

上記のように、十分に休息をとることと物事を前向き、肯定的、楽観的にとらえることがストレス解消の基本ですが、 しかし、根本的な解消法は、「身体を健康にすること」が大切だといわれています。 ストレスに弱いのは、心が弱いからとは限りません。腸や肝臓などの内臓の状態や働きが悪くなっていても、 ストレスには弱くなるので、まず最初にストレスに負けない身体をつくることが肝要です。

ただし、場合によっては精神科医やカウンセラーの力を借りることも必要かもしれません。


■ストレス解消と喫煙

タバコは世の中では悪い面ばかりがクローズアップされているのですが、実はストレスの緩和・解消に役立ちます。 喫煙者は、緊張しているとき、根を詰めて仕事をしたときにタバコを吸うと、「ホッとする」 「非常にリフレッシュされる」と言います。動物実験やヒトに対する基礎実験でも、確かにストレスが下がることが わかっており、心理的な効果だけでなく、実際にストレスホルモンの値が下がるのです。

しかし、何もストレスがない状態でタバコを吸うと、気持ちがイライラしたり、 ストレスホルモンが逆に増えることもわかっています。 また、喫煙は血管の収縮を起こすので血圧も上がるし、脈も速くなります。 特に血圧上昇は、1本タバコを吸うと30分以上続きますから、20本も吸えば1日中高い状態が続き、 血圧の高い人には非常に大きなリスクとなる可能性もあります。 短時間で見れば、ストレスが高い状態を緩和・解消することはできますが、そのような生活習慣が長年続くと、 癌を含む生活習慣病の引き金になるので、やはり禁煙するに越したことはありません。 タバコ以外のストレス解消法を身につけるほうが、はるかに賢明です。

【関連項目】
『禁煙』


■ストレス解消と飲酒

「キッチンドランカー」などでよく知られている「アルコール依存症」「鬱病」と密接な関係にあります。 アルコール依存症になると、いくら飲んでも気分が晴れず、かえって気分が落ち込み、鬱病を併発しやすくなります。 一方、鬱病があると、ストレスや不眠をお酒で解消しようとして、アルコール依存症を併発することがあるのです。 両者が合併すると、治療は難しくなります。 気分転換に少し飲む程度ならよいのですが、ストレス解消のための飲酒はやめましょう。