双極性障害(躁鬱病)

双極性障害(躁鬱病)は、気分が落ち込む「うつ状態」と、気分が高揚する「躁状態」を繰り返す病気です。 双極性障害は正しい診断が難しい病気です。症状を見逃さないためのポイントをご紹介します。


■どんな病気?

私たちは誰でも、よいことがあれば気持ちがウキウキしますし、悪いことがあれば元気がなくなります。 しかし、双極性障害の場合は、こうした一時的な気分の浮き沈みをはるかに超えて、周囲の人とトラブルになるほどの「躁状態」と、 生きるのがつらくなるほどの「うつ状態」を繰り返すのが特徴です。 双極性障害は、およそ100人に1人の割合で発症するとされ、決してまれな病気ではありません。 20歳代前半で発症する場合が多いのですが、10歳代や中高年期に発症するケースも見られます。 男女差はほとんどありません。


■正しい診断が難しい

双極性障害は、うつ状態だけが起こる「鬱病(大鬱病)」と誤謬されることが少なくありません。 双極性障害の場合、「うつ状態から始まることが多い」「患者さんはうつの症状を強く訴える」「躁状態を自覚していないことが多い」といったことから、 診断の決め手となる躁状態が見逃されやすいのです。 しかし、双極性障害と鬱病とでは、病気の経過や治療法が異なります。 双極性障害であるのに鬱病の治療を受けていると、効果がないだけでなく、経過が不安定になるなど病気の悪化につながることもあるので注意が必要です。