双極性障害(躁鬱病)で正しい診断を受けるために
●躁状態、軽躁状態を見逃さない
患者さんの多くは、うつ状態のときに鬱病を疑って受診します。この時に双極性障害であることを正しく診断するためには、 「過去に躁状態、あるいは軽躁状態があったかどうか」が重要なポイントになります。 うつ状態になる前に、下記にに挙げるようなことがなかったでしょうか?家族の方も一緒に振り返ってみてください。
- 自分でも不思議なくらい調子が良く、爽快な気分が続いた。
- 自分がとても偉くなったように感じた
- 仕事や勉強をバリバリこなせた
- 家族や周囲の人にしゃべり続けた
- 睡眠時間が短くても、徹夜をしても平気でいられた
- いろいろなアイデアが次々と浮かんできた
- ちょっとしたことでイライラしたり、怒りっぽくなったりした
- 高額な買い物や借金をした
もし、思い当たることがあれば、医師に伝えましょう。ただ、患者さんの多くは躁状態を自覚していませんし、躁状態を「あれが本当の自分だ」 などと思い込んでいる人もいます。受診時に、患者さんが自分から以前の躁状態について話すことは、ほとんどありません。 ですから、受診時には家族など患者さんのことをよく知っている人が付き添い、患者さんのこれまでの様子を医師に伝えることが必要です。 これが正しい診断への近道になります。
◆双極性障害を見逃さないために
鬱病と診断されて治療を受けていても、次のような症状がみられる場合は、双極性障害の可能性を考えてみることも必要です。 精神科の専門医に相談してみましょう。
- 以前に躁状態・軽躁状態があった
- 鬱病の治療を受けているのに2年以上もうつ状態が続く
- うつ状態を何度も繰り返す
- 抗うつ薬の服用中に躁状態が現れ(躁転)、抗うつ薬を中止しても躁状態が続く