双極性障害(躁鬱病)と上手に付き合うために

●病気を受け入れる

双極性障害と診断されると、最初はショックで診断を受け入れられないかもしれません。 しかし、病気について正しく理解し、主体的に再発予防に取り組んでいけば、発症前とほとんど変わらない生活を送ることは十分に可能です。 治療は長期に及ぶ場合が多いのですが、薬をきちんと飲み続けて、症状をコントロールしていきましょう。
ただ、薬を飲んでいても再発することはあります。その場合も気分の波を最小限に抑えられるように、再発の兆候に気を付け、 異変を感じたらすぐに受診することが大切です。また、ふだんから再発したときにはどうすればよいか、医師や家族と話し合っておくとよいでしょう。


●周囲の人のサポート

家族や友人など周囲の人も、双極性障害を正しく理解し、患者さんをサポートしていくことが大切です。 患者さんの気分の変化は性格的な問題ではなく、病気によって起きていることを十分に理解して温かく接しましょう。 また、再発の兆候を見逃さず、必要に応じて受診に付き添うなど、適切に対応することが、患者さんの寄りよい治療につながります。 患者さんに激しい躁状態や強い鬱状態が現れ、一時も気が抜けないようなときは、家族だけで対処しようとせず、すぐに担当医に相談しましょう。 支える家族が疲れ切ってしまうと、患者さんのサポートどころではなくなってしまいます。 場合によっては患者さんに入院治療を受けてもらうことも必要です。
日常生活では息抜きやリフレッシュの時間を作って、ストレスを解消することが大切です。 現実的には難しい面もたくさんあるかもしれませんが、医療機関など周囲の助けも借りながら、できるだけ気持ちに余裕をもって 患者さんをサポートしていける体制を整えましょう。


●躁状態の兆候

寛解期の患者さんに次のような様子が見られたら、躁状態になりかけている恐れがあります。 患者さんが受診を拒む場合は、とりあえず家族が主治医に患者さんの様子を伝えて、対応を仰ぎましょう。

  • ▼朝早く起きだす
  • ▼おしゃべりになる
  • ▼よく電話をかけている
  • ▼服装や化粧が派手になる
  • ▼外出が多くなる
  • ▼金遣いが荒くなる
  • ▼帰宅時間が遅くなる
  • ▼口調がきつくなる

など。