腸の善玉菌を増やす『育菌』④食品と血液型

B型の人は豚肉とウナギがNG!血液型別にわかる腸に合わない食品を大公開!


■腸内細菌が人類の血液型を作った

私たちの腸内には、4万種類で1000兆個の細菌がいて、それぞれがA型物質やB型物質を持っています。 例えば、大腸菌類でも、A型、B型、O型と分かれています。 実は、私たち人間は、これらの腸内細菌を人類に進化する前から、腸内に持っていました。 そして、これらの腸内細菌が体内に潜り込み、赤血球表面にABO式血液型を作ったのです。 そもそもABO式血液型というのは、どのような分類なのでしょうか。 血液型の分類は、赤血球を覆っている「糖鎖」と呼ばれる物質の構造の違いからきています。 それが、A型、B型、O型、AB型の4種類です。 糖鎖は、たんぱく質や脂肪と結合して細胞の表面にくっついている物質です。平たく言うと、細胞を覆っている服のようなもので、 構成する糖が一つ違うだけで細胞の性質が異なってきます。糖鎖は、人間ばかりではなく、他の動物や細菌まで持っている 基本的な物質です。細菌やウィルスも、糖鎖に取り付いて細胞内に侵入し感染を起こすということがわかっています。 インフルエンザウィルスが人や鳥に感染するのも、ウィルスと両者に共通の糖鎖があるためです。 私たち人間は血液型によって糖鎖も異なるため、血液型が異なれば、かかりやすい病気とかかりにくい病気が出てきます。 例えば、O型の人は最も免疫力が強く、癌や生活習慣病になりにくい一方で、胃潰瘍や十二指腸潰瘍などになりやすいのです。 A型の人は、あまり免疫力が強くなく、癌や生活習慣病になりやすいとされています。


●腸粘膜を丈夫にして穴が開くのを防げ!

興味深いのが、食品と血液型の関係です。それぞれの食品にも血液型物質が含まれているため、人の血液型と、 食品の血液型物質との相性があるのです。 B型の人は、ウナギを食べるとダイエットできるという話が昔からありますが、ウナギはA型物質の多い食品です。 このため、B型の人がウナギをたくさん食べると、ウナギのA型物質との間に、「抗原抗体反応」が起こります。 抗原抗体反応とは、抗原がそれに対応する抗体に結合する反応で、アレルギー症状などもその一つです。 この結果、B型の人の抗体が消費されることでエネルギーが使われ、ダイエット効果が生まれると考えられるのです。

それぞれの食品と血液型の間に、このような関係があるため、合う食品、合わない食品が出てきます。 例えば、B型の人は、羊肉、クジラがよく合う食品で、豚肉、ウナギが合わない食品です。 ただし、B型の人が合わない食品である豚肉を食べれば、必ずアレルギー症状が出たり、体調が悪くなったりするかといえば、 決してそんなことはありません。合わない食べ物を食べたとき、抗原抗体反応が起こるのは限られた場合だけです。 腸が健康でありさえすれば、B型の人が豚肉を食べても問題は起こりません。 問題が生じるのは「リーキーガット症候群」という症状があるときです。 腸内細菌が十分に働いていないと、腸は粘液を正常に作れなくなり、腸粘膜に穴が開いてしまいます。 すると、腸粘膜は、十分に消化していない大きな分子のまま食品を体内に取り込みます。 体は、この大きな分子を敵とみなして攻撃し、アレルギー症状が起こってしまうのです。 これがリーキーガット症候群ですが、この現象が、現代の多くの日本人に起こっているのではないかと考えられます。 近年、乳幼児に爆発的に増えている食物アレルギーも、おそらくリーキーガット症候群が原因だろうと考えられるように なってきました。しかも、リーキーガット症候群は子供だけの問題ではありません。 大人の場合、この病気になると、適切な栄養が吸収されなくなるので、疲労感が増したり、他に深刻なアレルギー疾患を 起こしたりするなど、数々の健康被害をもたらす恐れがあります。

腸に穴を開けさせないためには、日頃から腸内細菌を増やして丈夫な腸粘膜を作っておくことが欠かせません。 リーキーガット症候群を引き起こす誘因としては、抗生物質や食品添加物、化学物質があげられています。 熱が出たからといって、すぐに抗生物質に頼ったり、食品添加物の多い加工食品を頻繁に摂ったりすることはよくありません。 ただし、現代生活では抗生物質や食品添加物に、全く頼らず暮らすことは難しいのが現状です。 そのためにも、私たちは、毎日の食生活で腸内細菌を増やす努力をしていく必要があるでしょう。