質問:糖尿病でないのに低血糖症状が現れます

時々、夕方5~6時ごろに、「冷や汗が出る、体に力が入らない」など、低血糖のような症状が現れます。 すぐに砂糖を口に入れると15分くらいで落ち着きます。精密検査を受けましたが糖尿病ではありませんでした。 糖尿病でないのにこのような症状が出るのはなぜでしょうか。
●80歳以上・女性


【答】

糖尿病で血糖を下げる薬やインスリンの注射を使用していない場合でも低血糖が起こる場合はあります。 低血糖の症状があり、その時の血糖値が70mg/dL以下の場合に、 「低血糖症」とされます。低血糖の症状には、「発汗、動悸、手の震え」などの典型的な症状のほか、 「めまい、脱力感、体のふらつき感、あたまのくらくら感、物が見えにくい、ろれつが回らない」などの非典型的な症状もあります。 重症の場合は、意識障害や痙攣などが起こり、ブドウ糖の注射などを行わないと回復しない場合もあります。 低血糖はさまざまな病気で起こり、空腹時に起こる低血糖と食後に起こる低血糖では、原因となる病気が異なります。 ご質問者のケースは、食後低血糖と思われます。食後低血糖は胃の手術の後遺症や、「インスリン自己免疫症候群」「非インスリノーマ低血糖症候群(NIPHS)」 という稀な病気で起こることがあります。また、原因不明の場合は「反応性低血糖」が考えられます。 反応性低血糖とは、糖尿病でない人が炭水化物(糖質)の比率が多い食事を摂って約4時間以内に低血糖症状の発作を繰り返すものです。 糖質の多い食事を摂ると、30~1時間後に急激な血糖の上昇が起こり、その反応として血糖を下げるホルモン(インスリン)が過剰に出てきます。 その結果、起こるのが反応性血糖と考えられていますが、原因の詳細は不明です。 反応性低血糖の診断は、①低血糖の症状がある②症状が出た時の血糖値が50mg/dL未満③低血糖の症状が糖分の摂取で消失する、の3点から判断します。 反応性低血糖は糖尿病予備軍の人に起こりやすいとされ、反応性低血糖によって空腹感を感じるために甘いものなどを食べ過ぎて肥満を助長することもあります。 反応性低血糖は、吸収が速い「単純糖質(砂糖や果糖など)」を摂ると起こりやすくなるので、ゆっくり吸収される「複合糖質(食物繊維が多い穀類など)」 を摂ることや、タンパク質や脂質と一緒に摂ることが対策になります。また、α-グルコシダーゼ阻害薬(糖尿病の治療薬)が有効な場合もあります。 低血糖の症状がある場合は原因を調べるために、糖尿病や内分泌を専門とする内科を受診することをお勧めします。 CGM(持続ブドウ糖測定)の機器を装着して1~2週間の血糖値を持続的にみると、どのようなときに低血糖が起こるかを確かめることができます。

(この答えは、2018年5月現在のものです。医療は日々進歩しているので、後日変わることもあるのでご了承ください。)