前立腺癌の放射線療法

前立腺放射線量は、前立腺に放射線を照射する治療法です。 最近では、合併症を減らす方法も出てきました。

■放射線療法

「放射線療法」は、放射線を前立腺全体に照射することで、癌を死滅させる治療法です。 主に前立腺内に癌がとどまっている場合に行なわれます。
照射方法には、「外照射療法」「組織内照射療法(小線源療法)」があります。


●外照射療法

体の外から前立腺に放射線を照射する方法で、外来で受けることができます。 かつては患部だけに照射することが難しく、直腸や尿道、膀胱などに放射線が当たると、 「頻尿」「軟便」「肛門出血」などの症状が現れていました。 しかし、最近では、コンピュータを使うことで、照射した放射線を1ヶ所に集中させ、 ピンポイントで前立腺と精嚢に照射させることができるようになり、 周辺組織への影響を最小限にとどめることが可能になってきています。


●組織内照射療法(小線源療法)

前立腺に、弱い放射線を発するチタン製の小さなカプセルである「シード線源」を50~100個程度埋め込み、 体内から癌に放射線を照射する治療法です。シード線源には、「ヨウ素125」が密封されています。 1つの放射線量は微量ですが、数多くのシード線源を使うことで局所的に十分な量の放射線を照射できます。 一度埋め込んだシード線源は永久に入れておきますが、放射線量は2ヵ月後には半分程度になり、 半年~1年後にはほとんど照射されなくなります。 外照射療法に比べ、より集中的に照射でき、周辺組織への影響が小さく合併症が少ないのが特徴です。 体外への影響もほとんどありませんが、治療後1年間は、妊婦や子供との長時間の接触は避けます。

尿道の近くにシード線源があると「尿道狭窄」が、勃起神経の近くにあると「勃起障害」が起こる場合がありますが、 頻度は外照射より低めです。 4日間程度の入院が必要です。