前立腺肥大症の検査
前立腺肥大症の検査は「問診」で排尿の状態を尋ね、「直腸診」で前立腺の大きさを把握するほか、 前立腺癌の有無を確認した後、「尿検査」と「血液検査」で合併症を調べます。
■検査
国際前立腺症状スコアによる症状チェックや触診などが行われる
- ▼問診
- 症状について尋ねたり、「国際前立腺症状スコア」を用いて、排尿の状態を確認します。
- ▼直腸診
- 医師が肛門から直腸に指を挿入して、直腸の壁越しに前立腺を触り、肥大の程度や硬さ、 痛みの有無などを確認します。前立腺がんとの鑑別にも有効です。
- ▼血液検査
- 尿のトラブルは前立腺がんで起こることもあるため、 「PSA(前立腺特異抗原)」を調べて、前立腺がんの可能性をチェックします。
- ▼超音波検査
- 肛門から機器を挿入して前立腺に向けて超音波を発し、前立腺の形や肥大の程度、 がんかどうかなどを調べます。また、お腹から超音波を当て、膀胱の残尿の程度を調べます。
- ▼尿流測定
- 前立腺肥大症と診断されたら排尿時間や尿の勢いなどの、排尿障害の程度を調べる 「尿流量測定検査」が行なわれます。 前立腺肥大症が進行すると、排尿の勢いが低下し、排尿にかかる時間も長くなります。
■前立腺肥大症の重症度チェック
前立腺肥大症の症状をどの程度感じているかを点数化して、重症度を判定する方法が 「I-PSS(国際前立腺症状スコア)」です。この1ヶ月の排尿の状態について、 1~7の各質問に当てはまる回数を下記から選び、点数を合計します。
- 排尿後に、尿がまだ残っている感じがある
- 排尿後2時間以内に、もう1回排尿しなければならない
- 排尿の途中で尿が途切れる
- 排尿を我慢するのがつらい
- 尿の勢いが弱い
- 排尿を始めるときに、いきまなければならない
- 夜に床についてから朝起きるまでに排尿のために○回起きる (○は当てはまる数字)
- まったくなし(7は0回)=>0点
- 5回に1回の割合より少ない(7は1回)=>1点
- 2回に1回の割合より少ない(7は2回)=>2点
- 2回に1回の割りわい(7は3回)=>3点
- 2回に1回の割合以上(7は4回)=>4点
- ほとんど常に(7は5回以上)=>5点
- 合計点が0~7点==>軽症・経過観察
- 合計点が8~19点==>中等症・薬物療法
- 合計点が20~35点==>重症・手術療法など
■QOL(生活の質)スコア
尿トラブルが日常生活にどの程度支障をきたしているかを見るものです。
「現在の排尿の状態が一生続くとしたらどう思うか」
を0点(大変満足)から6点(大変不満)の7段階で評価します。
0~1点・・・軽症
2~4点・・・中等症
5~6点・・・重症