僧帽弁閉鎖不全(逆流)症

■症状と特徴

動いた時の呼吸困難や動悸が主ですが、安静時の呼吸困難や胸痛、漠然とした自覚症状(不定愁訴)の場合もあります。
僧帽弁がきちんと閉まらず、左心室から左心房へ血液が逆流する状態です。 治療が不十分だったり、心臓に強い負担がかかったりすると心不全に至ります。 僧帽弁狭窄症に比べて血栓が起こる可能性は低いのですが、 心房細動を合併している場合は 血栓症の予防に気を配る必要があります。


■原因

リウマチ熱の後遺症として起こる場合は最近では減少し、僧帽弁逸脱症、虚血性心疾患による乳頭筋機能不全症候群、感染性内膜炎や 拡張型心筋症などによるものが増えています。


■治療

利尿薬や ジギタリス製剤などの強心薬、さらに ACE阻害薬 を用いて状態の改善を図ります。 感染性心内膜炎の予防のために、必要なら抗菌薬を使用することもあります。 外科手術には、弁置換術と弁形成術の2つの選択肢があります。