【質問】関節リウマチの薬について

20歳代で関節リウマチと診断され、抗リウマチ薬のメトトレキサートとブシラミンを服用しています。 しばらくは薬の効果もあり、普通に生活していましたが、最近、右手の親指の第二関節が腫れて痛み、痛み止めの薬を飲むこともあります。 担当医からは、検査の数値も安定しているし、リウマチとは関係がないと言われましたが、心配です。(30歳・女性)


【答】

メトトレキサートとブシラミンという2種類の抗リウマチ薬を飲んでいて、指が腫れて痛むということであれば、薬の効果が不十分で、 病気を十分にコントロールできていないのではないかと考えられます。 関節リウマチの治療では、いろいろな種類の薬が使われます。関節の痛みやこわばりといった症状を改善する薬には、 痛み止め(非ステロイド性抗炎症薬)やステロイド薬があります。 抗リウマチ薬や生物学的製剤は、関節リウマチの原因である自己免疫の”誤作動”を抑えることで、症状だけでなく、病気の進行も抑えることができる薬です。

現在、関節リウマチの治療は、基本的に抗リウマチ薬で開始します。抗リウマチ薬にはいろいろな種類がありますが、治療の中心となっているのは、 メトトレキサートとという飲み薬です。およそ8割の患者さんが、この薬を使用しています。 検査の数値は安定しているとのことですが、それだけでは、関節リウマチがきちんとコントロールできているかどうかはわかりません。 関節リウマチではいろいろな関節に症状が現れますが、肘や膝のような大きな関節が腫れていれば、血液検査で炎症の指標となるCRPが値が上がってきます。 しかし、指の関節のような小さな関節が1か所腫れているだけでは、CRPの値は高くなりません。 検査値だけでなく、関節が腫れているかどうかを、触診や関節超音波検査などで、きちんと診察してもらう必要があります。

メトトレキサートもブシラミンも、長い期間飲んでいると、効果が少し落ちてくることがあります。 関節の腫れが起きているのであれば、薬の量を少し増やしてもらうことが勧められます。 すでに十分な量を服用している場合や、副作用で薬の量を増やすことが難しければ、他の抗リウマチ薬への変更も考える必要があります。 その場合、生物学的製剤の使用も検討します。