【質問】関節リウマチの薬を使い始めたら、一生使い続けなければいけないでしょうか?
出産後、関節リウマチを発症しました。現在はメトトキレサートを内服して1年になりますが、症状が改善しないので、医師から生物学的製剤を勧められています。 ただ、今後は子育てにもお金がかかってくるので、経済的な心配もあります。 薬を使い始めたら、一生使い続けなければいけないでしょうか?(31歳・女性)
【答】
通常の薬は化学的に合成されたものですが、生物学的製剤は、生きた細胞が作り出す抗体などのタンパク質を薬として利用するものです。
飲み薬ではなく、点滴や皮下注射の薬です。生物学的製剤は関節リウマチの症状を抑え、関節の破壊も抑制します。
従来の薬では効果が不十分だった人にも、十分な効果が得られることが多く、最近注目されている治療薬です。
問題は医療費が高額だという点です。生物学的製剤を使わずに治療した場合、患者さんが1年間に負担する医療費は平均約25万円ですが、
生物学的製剤を使用した場合には平均約70万円かかります。ただ、ご質問には「症状が改善しない」とあります。
関節が腫れた状態が続くと関節の破壊が進んでしまいます。破壊を止めるためにも、腫れを抑える必要があります。
そのために、担当医は生物学的製剤を進めているのでしょう。
まだ31歳ですし、今後のことも考えると、ここで関節リウマチを十分にコントロールしておくことをお勧めします。
生物学的製剤は高価なので、ずっと続けることに不安を感じられるのはわかります。
ただ、十分な効果が得られた場合、薬の量を減らしたり、間隔を開けたりすることも可能です。
なかには薬を中止できる人もいます。
もし、十分な治療を行わず、病気が進行して関節の破壊が進んでしまうと、将来的には手術や介護のための費用が必要になることも考えられます。
これから子育ての大変な時期を迎えます。そのあたりのことも含め、ご家族ともよく相談してみてください。