■質問:「もやもや病」について
10歳の時に「もやもや病」と診断され、左右とも直接バイパス術と関節バイパス術を受けました。 予後は良好で、支障なく学校生活を送っていますが、今後、大人になった時に、脳出血の症状が出る可能性はあるのでしょうか?(14歳・男性)
【答】
脳にある2本の太い内頚動脈の終末部は細くなっています。「もやもや病」は、その細い血管が閉塞し、その先の血流が悪くなることで起こります。 不足した血流を補おうとして、周りに異常な毛細血管が発達し本来は存在しない血管網を作ります。 画像検査をすると、それが”もやもや”として見えるのです。 もやもや病の発症には、血流が不足して起こる「虚血型」と、負担がかかった血管が破れる「出血型」があります。 子供は虚血型がほとんどですが、成人ではほぼ半数が出血型です。 ご質問者は、虚血型に効果の高い手術を受けていることと、10歳という発症年齢から、虚血型だったと推察されます。
手術後の経過が良好であれば、脳血流が改善して正常に近い状態が保たれるので、失神などの虚血症状は起こりません。 また、毛細血管に負担がかからなくなるので、脳出血も起こりにくくなります。 今後も脳の血流の状態を確認するために、MRI検査を半年~1年に1度受け、加えて脳血流検査(SPECT)で脳の血流の状態を確認してください。
(この答えは、2017年9月現在のものです。医療は日々進歩しているので、後日変わることもあるのでご了承ください。)