■質問:「血管周囲腔の拡大」について

人間ドックの結果がすべて良好なのに、脳ドックのMRIで「無症候性脳梗塞」と診断されました。 高血圧、糖尿病、脂質異常症など無症候性脳梗塞のリスクとなる持病はなく、「原因がわからない」とのことです。 何か気を付ける点などがあれば、教えてください。(53歳・女性)


【答】

指摘されたMRIの所見は、脳梗塞ではなく「血管周囲腔の拡大」の可能性も考えられます。 脳の血管に自然に隙間ができ、血液成分や髄液などの水分が溜まった状態です。 脳の萎縮など、加齢によって起こると考えられており、無症状の場合が多いといえます。 血管周囲腔の拡大は、画像の上では脳梗塞とよく似ているため、鑑別が難しく、問題となることがあります。 ただし、血管周囲腔の拡大に対する特別な対応は必要ないとされているので、すぐに治療が必要となるわけではありません。 しかし、血管周囲腔の拡大は将来における脳卒中の発症と関係が深いといわれています。 高血圧糖尿病脂質異常症、過度の飲酒、 喫煙などの危険因子があれば、 血圧や血糖のコントロールをしっかり行い、飲酒も控えて、禁煙することが大切です。
ご質問者の場合は、危険因子は少ないと考えられるので、血管周囲腔の拡大だったとしても問題は少なそうです。 しかし、念のために再検査を受け、しっかりと診断してもらってはいかがでしょうか。

(この答えは、2017年9月現在のものです。医療は日々進歩しているので、後日変わることもあるのでご了承ください。)