■質問「無症候性脳梗塞」の治療の要否について』
8年前にMRI検査を受け、「無症候性脳梗塞」と診断されましたが、「特に問題なし」とのことで、それから何もしていません。 再検査を受けて、治療の要否を判断したほうがよいのでしょうか。
【答】
脳の細い血管が詰まって起こる小さな脳梗塞では、血流の途絶える範囲が小さいので、症状が現れないことがあります。
このような無症状の小さな脳梗塞を「無症候性脳梗塞」といいます。
ご心配であれば、再検査を受けてみてはいかがでしょうか。8年前より画像診断技術は進歩しています。
MRI検査を受ける際には、T2強調画像かフレアー画像で撮影してもらうとよいでしょう。
これらの画像は、水分のある部分が白く写るため、無症候性脳梗塞のような小さな脳梗塞を発見するのに優れています。
脳梗塞を起こして時間がたつと、脳組織は変性して容積が小さくなり、その隙間に水分が溜まります。
そこが白く映し出され、脳梗塞が見つけやすくなるのです。T2強調画像やフレアー画像は、特殊な装置が必要なMRI検査ではありませんが、
神経内科や脳神経外科の医師がいる医療機関で受けるのがよいでしょう。
無症候性脳梗塞があると、命に関わる大きな脳梗塞や脳出血の危険性が高まるだけでなく、
血管性認知症を起こす危険性も高くなる可能性があります。
脳梗塞は、
高血圧、
糖尿病、
脂質異常症、過度の飲酒、
喫煙などが危険因子となります。
血圧や血糖のコントロールをしっかり行い、飲酒も控えて、禁煙することが大切です。
このような脳梗塞を新たに生じさせない努力と共に、定期的に検査を受けることが大切です。
(この答えは、2017年9月現在のものです。医療は日々進歩しているので、後日変わることもあるのでご了承ください。)