ストレートネックQ&A

ストレートネックQ&A。


■質問

以前からよく肩が凝るほうでしたが、最近はますますひどくなってきました。 特に首のコリが強く、体を起こしているのがつらく感じることもあります。 マッサージをしてもらうと数日は楽になるのですが、すぐにまた凝ってしまいます。 整形外科では、「ストレートネック」が原因と言われました。 ストレートネックとはどのようなものなのでしょうか?(50歳代・女性)


【答】
「ストレートネック」は、首の部分の脊椎(頸椎)の並びが弓状ではなく、直線状になっていることを言います。 加齢によって起こることが多いのですが、青年層でも前かがみになった時にはストレートネック状態が生じます。 そのような姿勢では、頭の重心が骨盤の中心より前に行くため、5kgはあるとされる頭の重さを支える頸椎の筋群に 大きな負担がかかることになります。したがって、このような状態で仕事などによる長時間の負荷を強いられる状態になると、 頸椎筋群に痛みが生じます。頸椎後方の筋群が弱い場合、あるいは頸椎前方の斜角筋が緊張した場合にも同様に ストレートネック状態になってきます。マッサージや筋の緊張を緩和する薬剤などは有効ではありますが、 原因に対するアプローチにはなっていません。根本的によくするためには、よい姿勢をとることが最もよいのですが、 長年の癖でどのような姿勢がよいかもわからないし、できないということが多いようです。 さらには体の硬さなども問題となります。まずは、頚椎から肩にかけての筋肉のストレッチ及び筋力強化を行うことが 重要と考えられます。
また、ストレートネックはどうしても頸椎から肩にかけての姿勢のことが問題にされがちですが、 胸椎(背中の脊髄)や腰椎の反り腰あるいは下肢の姿勢異常が原因でも生じます。 特に壮年期には、「変形性脊椎症」など回脊椎の並びの不良が腰などの姿勢異常につながり、 最終的にそれが原因で起こったストレートネックも少なからずみられます。 このような場合は首-腰-脚-といった全体の姿勢のチェック、および骨変形や「骨粗鬆症」「圧迫骨折」 の有無などをエックス線検査などで分析して対応していく必要があります。 完全によい姿勢を取り戻せなくても、少しでも改善させることで最終的に首にかかる負担が減ると症状は改善しますので、 整形外科の専門医の受診をお勧めします。