骨粗鬆症Q&A

骨粗鬆症に関するQ&Aです。


■質問

先日、骨密度の検査を受けました。結果は、TRACP-5bが808mU/dL、BAPが20.8μg/L、若年成人比較65%で、 『骨粗鬆症』と診断されました。週に1回飲むようにとベネットが処方され、 これまでに5回飲みました。ただ、血液検査ではカルシウム9.1mg/dL、無機リン酸が3.4mg/dLと基準値内でした。 それでも骨粗鬆症になるのでしょうか。(67歳・女性)


【答】

骨では破骨細胞が古くなった骨を壊す「骨吸収」と、骨芽細胞が新しい骨を作る「骨形成」 が絶えず繰り返されています。しかし、骨吸収と骨形成のバランスが崩れてしまい、骨吸収の方が骨形成を上回ってしまうと、 骨密度が低下して「骨粗鬆症」になってしまいます。骨折がない場合でも、骨密度の値が若年成人の70%以下であれば、 骨粗鬆症と診断されます。

TRACP-5b(酒石酸抵抗性酸フォスファターゼ-5b)は骨吸収の程度を見るための骨吸収マーカーで、 BAP(骨型アルカリファオスファターゼ)は骨形成の程度を見るための骨形成マーカーです。 女性のTRACP-5bの基準値は120〜420mU/dLで、BAPの基準値は2.9〜145μg/Lです。 ご質問者の場合、TRACP-5bが基準値を大幅に超えていますので、骨吸収が亢進しており、 今後も骨が減っていく可能性が高いことを示しています。BAPも基準値より高い値ですが、 これは骨吸収の更新に対する反応として、骨形成も頑張っていることを示しています。 骨粗鬆症では、骨吸収や骨形成のマーカーは異常値を示しますが、血中のカルシウム値やリン値は正常なので、 ご質問者の検査結果は骨粗鬆症に一致します。仮に、血清カルシウム値やリン値にも異常値が見られた場合には、 「副甲状腺機能亢進症」「骨軟化症」など、骨粗鬆症以外の骨がもろくなる病気を考えなければなりません。

ベネットは、骨吸収を強く抑えることができるビスホスホネート薬の一種ですので、ご質問者のように骨吸収マーカーが 非常に高い方にはよい適応です。ただしビスホスホネート薬は、空腹時にコップ1杯以上の水で飲まなければならず、 内服後も、30分以上は食事を控えなければなりません。ビスホスホネート薬は、水以外のものと混じってしまうと、 体への吸収が著しく低下してしまうためです。胃薬であっても一緒に飲むと、ビスホスホネート薬の効果が ほとんど失われてしまいますので、胃薬とビスホスホネート薬を一緒に飲むことは控えたほうがよろしいです。 しかし、胃が弱く、どうしてもビスホスホネート薬を飲むことができないという方もおられます。 そのような場合には、食後に胃薬と一緒に飲むことができる他の骨粗鬆症薬に変更することもできますし、 現在では、静脈注射ができるビスホスホネート薬もありますので、担当医に相談してみてください。