骨粗鬆症の早期発見のポイント

●骨が弱くもろくなる『骨粗鬆症』は、寝たきりにつながることがある。
●「閉経」や「運動不足」「喫煙」などが骨粗鬆症のリスクとなる。
●早期発見のためには、定期的な検査などで骨の状態を確認する。


■骨粗鬆症

骨がもろくなり、骨折しやすい状態

「骨粗鬆症」は、骨がスカスカになって弱くもろくなる病気です。 しかし、問題となるのは骨折だけではありません。骨折をすると、治療期間中は安静にしていなければなりませんが、 その間に筋力が低下していきます。筋力が低下すると転倒しやすくなるため、転倒によってふたたび骨折するという悪循環に 陥りやすくなります。こうした悪循環に陥った結果、寝たきりにつながるケースが少なくありません。 骨折による寝たきりを防ぐためには、自分にどれくらい骨粗鬆症のリスクがあるのかを知り、早期発見と予防に努めていくことが 重要です。


●骨粗鬆症のリスク

加齢や閉経のほか、喫煙などの生活習慣も関係する

骨粗鬆症の主なリスクには次のものがあります。

◆加齢、閉経

骨密度や骨質の低下の最も大きな原因が「加齢」です。男女ともにおよそ20歳で骨密度が最大値に達し(最大骨密度)、 40歳代半ばころまでその状態が維持されますが、女性では、その後、骨密度が急激に低下します。 閉経により、破骨細胞の働きを抑える「エストロゲン」という女性ホルモンの分泌が低下するためです。 男性は女性ほど加齢によって骨密度が下がるリスクはありませんが、中には骨密度が急激に低下する人もいるので、注意する必要があります。
高齢期の骨密度は最大骨密度と関係するため、特に女性は若いときの「骨貯金」が大切です。 高齢期の場合でも、生活習慣の改善によって骨密度の低下を緩やかにし、骨粗鬆症のリスクを減らすことができます。

◆生活習慣

骨粗鬆症は次のような生活習慣との関係が深く、「骨の生活習慣病」とも呼ばれています。

▼偏食、過度のダイエット
カルシウムなどの、骨に必要な栄養素が不足します。また、骨は適度な体重がかかることで丈夫になりますが、 痩せすぎると骨に十分な負担がかからないため、骨粗鬆症のリスクが高くなります。 予防のためには、バランスの良い食事を摂り、適正な体重を維持することが大切です。
▼運動不足
骨を丈夫にするためには、骨に十分な刺激を与えることが必要です。 運動不足だと、刺激が加わらないため骨は弱くなります。
▼喫煙、過度の飲酒
喫煙はエストロゲンの働きを抑制するといわれています。そのため、破骨細胞の働きが活発になり、 骨密度が低下しやすくなります。また、アルコールを多量に摂ると、骨芽細胞の働きが抑えられてしまうため、 毎日の過度の飲酒は好ましくありません。

◆薬・病気

薬では、特に「ステロイド薬」の内服薬や注射薬を長期間使用した場合に注意が必要です。 骨形成やカルシウムの吸収が抑えられてしまうことがあるからです。 病気では、「関節リウマチ」「糖尿病」 が骨粗鬆症のリスクになります。関節リウマチがあると全身の関節に炎症が起こるため骨が弱くなり、 糖尿病があると骨質が低下するといわれています。他にも 「慢性腎臓病」「動脈硬化」 も骨質を低下させるといわれているので、こうした生活習慣病の予防や治療も大切です。


●早期発見のためには

健診を受けたり、骨折のリスクを知ることが大切

骨粗鬆症の早期発見のために、女性は40歳を過ぎたら市区町村で行われている「骨粗鬆症検診」を積極的に受けましょう。 男性は、50歳を過ぎたころから骨粗鬆症のリスクが高くなるため、一度自分の骨の状態をチェックしてください。 男女とも、自分がどの程度骨折するリスクがあるかは「骨折リスク評価ツール(FRAX)」で調べられます。 WHO(世界保健機関)が開発したもので、今後10年間で骨折が起こる確率を評価できます。 FRAXは、インターネット上で、自分自身で利用できるほか、骨粗鬆症を専門にしている医師に相談すると算出してもらえます。 FRAXの値が15%以上の場合、骨粗鬆症による骨折のリスクが高いとされるため、専門の医師を受診してください。