■高血圧の合併症にはどんなものがありますか?

【答】

高血圧で特に問題なのは、動脈硬化を起こすことです。 高血圧によって血管の収縮した状態が続くと、その内部を流れる血圧の圧力で血管壁が傷つき、次第にに硬くなって破れやすくなります。 また、脂質異常症や糖尿病も、高血圧の合併症としてお互いの症状を悪化させて、動脈硬化もさらに進行します。 そして、脳の血管に動脈硬化が生じ、そこに血栓が詰まれば脳梗塞、血管が破れれば脳出血を起こし、 脳の一部が死滅した場合は、脳血管性認知症に陥ることも少なくありません。 最新の研究によれば、認知症の三分の一は脳の動脈硬化が原因ではないかと考えられています。

一方、心臓の血管で動脈硬化が生じれば、合併症として狭心症・不整脈・心筋梗梗塞の危険が高まります。 また、動脈硬化によって大動脈の一部が瘤のように膨らむ大動脈瘤も、いったん破裂をすれば命を落とす危険さえあります。 その他に、腎臓の動脈硬化が原因になる腎硬化症や腎不全、足の閉塞性動脈硬化症なども挙げられますが、 これれは、高血圧の合併症のごく一部に過ぎません。どの病気の治療でも、高血圧と動脈硬化を食い止めることが不可欠です。