血管年齢を若返らせる【血管の老化を防ぐ】

血管内皮を健康に保つ生活を送れば、血管年齢を若く保つことができる。

以前は、いったん硬くなった血管は元に戻らない、と考えられていました。 しかし最近の研究では、必ずしもそうではないことが明らかになっています。 「血管内皮」が障害され、血管が硬くなっている人でも、高血圧、高脂血症、糖尿病などを治療したり、 生活習慣を改善したりすると、血管内皮の機能が回復してくることもわかってきました。 すると、「NOやEDHF」が作られる量や機能も、回復するのです。 つまり、血管を若く保つには、原因となる病気を治療し、血管内皮を健康にする生活を送ればよいのです。 体質的にNOを作る力が低い人もいますが、そのような人でも、日常生活に気をつければ、血管が硬くなるのと防げるといわれています。


■血管年齢を若く保つための「5か条」

特に重要視されるのが、食事と運動

健康な血液・血管のために必要なのは「内臓脂肪とストレスをためないこと」です。
内臓脂肪がたまりやすい人の食生活と身体活動の特徴は

  • 満腹になるまで食べる。
  • 甘いものが好きで野菜をあまり食べない。
  • 夜遅く食事をする
  • 座り仕事が多い。
  • 通勤は車でする。
  • 歩行時間が1日1時間未満。

といった特徴が見られます。このような生活スタイルの人は食事の摂取カロリーが消費カロリーをオーバーし、 栄養素のバランスも悪いと考えられます。また、ストレスや喫煙も動脈硬化を進めます。 そこで、血管を若く保つための対策としては、次のようなことが勧められます。

▼食事は腹八分目、野菜を優先する
◇食事の際、最初に野菜を食べ腹八分目にする習慣をつけましょう。 こうしてお腹を膨らませ、摂取エネルギーを控えめにし、食べすぎを防止します。 また、動脈硬化の進行には活性酸素による酸化ストレスが関係しているので、 抗酸化作用を発揮するビタミンA、ビタミンC、ビタミンEなどを含む緑黄色野菜を摂取することが大切です。

◇青背の魚を積極的に摂ることも勧められます。イワシやマグロなどの青背の魚に多く含まれる 「EPA」「DHA」は、 血管内皮の機能を健康に保つ働きがあり、動脈硬化を防ぎます。 魚を多く食べる人は食べない人に比べて心筋梗塞になるリスクが6割前後も低くなるという研究結果も報告されています。 たんぱく質源として肉を摂ることも大切ですが、1週間に2回以上は青背の魚を摂るようにしましょう。

◇NO(一酸化窒素)は酸化により弛緩効果が失われます。NOの酸化を防ぐには、抗酸化物質が豊富に含まれる食材を 摂ることが大切です。緑黄色野菜など、抗酸化物質が多く含まれる色とりどりの食材を料理に取り入れましょう。