『アカシアポリフェノール』研究報告

◆少量のインスリンで効率的に高血糖を抑制

星薬科大学の杉山清教授（薬学博士）、および五十嵐信智助教らの研究によれば、高脂肪食をエサにしたマウスに アカシアポリフェノールを与えると、空腹時血糖値が低く抑えられました。 注目すべきは、同時に血液中のインスリン（血糖値を下げるホルモン）の量も抑えられたこと。 アカシアポリフェノールは膵臓で分泌されるインスリンの効き目を高めて（インスリン抵抗性の改善）、 効率的に血糖値を下げることが示されたのです。

こうした実験を踏まえて、アカシアポリフェノールを人間が摂取した場合に、同様の作用が現れるかも実証が行われました。 境界型の糖尿病患者17名の協力を得て、アカシアポリフェノールの摂取前及び摂取8週間後に、75gブドウ糖負荷試験を行って、 血糖値と血中インスリン値の推移を調べたのです。この試験では、空腹時に75gのブドウ糖を含む水を飲んだ後、 30分間隔で血液検査を行います。国際的に統一されている食後血糖値の検査法で、世界のどの国でも糖尿病の診断基準となります。 では、アカシアポリフェノールの摂取後、実際に患者の検査数値はどう変化したか。 その結果は下のグラフの通りに一目瞭然で、血糖値と血中インスリン値はいずれも低く抑えられました。 インスリンの効き目を高めることで、効率的に血糖値を抑える、アカシアポリフェノールの作用が臨床で証明されたのです。

なお、この試験期間中、副作用とみられる症状は一切なかったことも併せて報告されています。 世に溢れる健康食品の中でも、アカシアポリフェノールのように、 人間を対象とした臨床試験で信頼性・安全性が認められたものは実に貴重といえるでしょう。

以上の成果をまとめた論文は、イギリスの医学誌で受理・掲載されて、アカシアポリフェノールの効能が国際的に広まりました。

◆内臓脂肪の量が8週間で30%減った

星薬科大学によれば、アカシアポリフェノールを与えたマウスは高脂肪食を与えても皮下・内臓脂肪が付きにくく、 肝臓の重量も増えないことがわかりました（左上グラフ）。これはすなわち、 肝臓での脂肪の合成が抑えられたことを意味しています。 この研究成果は、イギリス・オックスフォート大学出版局の医学誌でも公開されました。 実際に肥満傾向にある男女を対象としたテストでも、 アカシアポリフェノールが確かに脂肪の蓄積を抑えることが裏付けられました。

一例として、60歳女性の腹部CT画像を確認したところ、アカシアポリフェノールの摂取8週間で内臓脂肪が実に 30%異常も減っていたのです。アカシアポリフェノールが脂肪の蓄積を防ぐ理由については、 長崎大学医歯薬学総合研究科も興味深い発表をしています。 アカシアポリフェノールは、アミラーゼ（炭水化物をブドウ糖に分解する）と、リパーゼ（油を分解する） という２つの酵素の活動を阻害するのです。 これらの酵素の働きが抑えられると、まず食後血糖値の急上昇が防止されます。 同時に、脂質の体内への吸収も減少するため、内臓脂肪が過剰に蓄積されません。
この効能は、糖尿病改善にも大いに意味があること。 というのも、内臓脂肪はインスリンの効き目を悪くする物質を分泌するからです。 そのため、内臓脂肪が減少するとインスリンの効き目が向上し、高血糖の解消がさらに加速します。

◆血圧上昇をもたらす酵素の働きを阻害

星薬科大学では、高血圧を自然発症するラットにアカシアポリフェノールを4週間与えたところ、 収縮期血圧（上の血圧）と拡張期血圧（下の血圧）とも、上昇が抑えられたと報告しています。 同時に、心臓の重量増が明白に抑えられていることもわかり、これは血圧上昇の抑制から、心臓への負担が軽快した証しです。 さらに別の研究からわかっているのは、アカシアポリフェノールは、血管を縮めて血圧を上げる、 ACEという酵素の働きを阻害すること。 緑茶のカテキンの約12倍、サツマイモの茎葉の2.6倍の活性値（ACEの働きを半分にする値）を示すと判明しています。 その他、肝臓で合成されるコレステロール、中性脂肪も抑えることから、 脂質異常症（高脂血症）の改善にも期待大といえるでしょう。 特に糖尿病では、高血圧や脂質異常症を併発することで、合併症が悪化する例が多いもの。 アカシアポリフェノールは血糖値の改善と共に、これら血液データ全般を改善して、恐ろしい合併症を退けます。
なお、星薬科大学ではラットの実験によって、アカシアポリフェノールが肌の乾燥とかゆみを改善することを実証しています。 加齢に伴う肌トラブルや、アトピー性皮膚炎にも有用と注目されているのです。