『腰らく座り』ダイエット
ポッコリお腹を招く内臓下垂は、座り方一つで解消でき、最高は骨盤を立てるだけの『腰らく座り』。
■猫背は内臓下垂を招く
「頑張ってダイエットしているのに、ポッコリ突き出たお腹が、なかなか引っ込んでくれない」
そういう声を、よく耳にします。そんな人は、自分が椅子に座っているときの姿勢をチェックしてみてください。
椅子に浅く腰掛けて背中を丸めた、猫背の姿勢になっていませんか。
実は、ポッコリと突き出たお腹太りの原因は、食べ過ぎや運動不足だけとは限りません。
むしろ、背中を丸めた猫背の姿勢こそ、ポッコリお腹を招く重大な原因といえるのです。
書類の整理やパソコン作業などで、長時間椅子に座っていると、誰でもつい背中を丸めた「楽な座り方」をしがちです。
これが、猫背の始まりです。猫背を続けていると、体幹(胴体)の筋肉がうまく使われなくなります。
特に、背骨をまっすぐ支える役割を担う脊柱起立筋、上半身と下半身をつなぎ、内臓を正しい位置に収めておく
腸腰筋(腸骨筋と大腰筋)や腹筋などが、正常に働かなくなってしまうのです。
この状態が続くと、背中が丸まって圧迫された胃や腸などの内臓が、下の方へ落ちてきます。これが内臓下垂です。
そのため、ポッコリお腹を解消するためには、猫背を正して、背筋をまっすぐ伸ばした姿勢を維持する必要があります。
とはいえ、椅子に座っている間、ずっと背筋を伸ばした姿勢を保つのは難しいでしょう。 そこで、身近なものを活用して、正しい姿勢での座り方を補助する方法を紹介しましょう。 用意するのは、バスタオル1枚だけです。まず、バスタオルを、適当な大きさになるように、 端からクルクルときつく巻いていきます。その上に尾てい骨、つまりお尻の端を乗せるような感じで座ります。 猫背になると、骨盤が後ろへ傾いてしまいますが、このように坐ることで自然に骨盤が立ち、背中が丸まってしまうのを 防ぐことができます。同時に、腰への負担を減らせるという利点もあるので、私は、骨盤が立った正しい座り方を 『腰らく座り』と呼んでいます。実際に試してみれば、長時間座っていても腰が楽だと感じられるでしょう。 ただし、バスタオルの上にお尻の大半を乗せてしまうと、骨盤を立たせる効果が得られませんので、その点は注意してください。 この他、巻いたバスタオルを、腰と椅子の背もたれの間に挟んで座る方法もあります。 腰椎は、前へ少しカーブしているのが本来の形です。猫背になると、この本来のカーブが失われてしまいます。 巻いたバスタオルを腰の部分に当てることで、腰に適度な窪みが形成され、腰椎本来のカーブが復活し、背筋が伸びるというわけです 注意点は、必ず椅子に深く腰掛けて行うこと、浅く腰掛けた状態では、腰に窪みが形成されず、効果が得られます。
●脂肪も燃えやすくなる
腰らく座りを行うと、内臓下垂の解消だけでなく、体の脂肪を燃やす効果も期待できます。 それは、背筋を伸ばして坐ると、脊柱起立筋や腸腰筋などの筋肉が使われるためです。 これらの筋肉は、体の深部に隠れていて、外からは見えません。インナーマッスルやコアマッスルと呼ばれ、 脂肪を主なエネルギー源としています。これらのインナーマッスルを鍛えることで、基礎代謝が向上します。 基礎代謝とは、安静にしているときや眠っているときにも使われる、必要最小限のエネルギーのこと。 基礎代謝が向上すれば、脂肪が燃えやすいいわゆるヤセ体質になって、余分な体脂肪が溜まりにくくなります。 また、腰らく座りには、脂肪を燃やすのに必要な酸素を多く取り込めるというメリットもあります。 背筋を伸ばすことで、肺が圧迫から解放されて大きく膨らみ、呼吸が深くなるので、酸素がたくさん取り込めるのです。 さらに、内臓下垂が解消されて腸などが元の位置に戻れば、その働きが活発になり、やはりポッコリお腹の原因となる 便秘の解消にもつながります。腰らく座りで、背筋の伸びた正しい姿勢を身につけて、ポッコリお腹を解消し、 ヤセ体質を手に入れましょう。また、姿勢正しが効率よく姿勢矯正器具も市販されていますので、 そういったものを活用するのもいいでしょう。