耳鳴り・難聴・めまい④両耳の耳鳴り

両耳の耳鳴り』は脳の異常な興奮が続く『脳過敏性症候群』が疑われ、過去に片頭痛もちなら決定的。


■耳以外の場所に耳鳴りの原因があった

耳鳴りは一般的に、耳の奥の内耳の異常で起こると考えられています。しかし、脳の異常な興奮で起こることも多いのです。 脳の異常な興奮によって頭痛が起こる病態を「脳過敏性症候群」といわれることもあり、脳神経外科ならではの治療が 行われることがあります。脳過敏性症候群による頭痛には、いくつかの特徴があります。 第一は、片側だけでなく両側の耳に現れることです。具体的には「頭の中で誰かが太鼓をたたいている」 「頭の中でセミが鳴いている」など、頭の中で雑音がなっていると感じます。 第二は、片頭痛に続発しやすいことです。頭鳴とともに過去に片頭痛にもよく悩まされていた人は、 過敏性脳症候群の疑いが濃厚です。


●マグネシウムとビタミンB2が有効

片頭痛では、こめかみから目の辺りがズキンズキンと脈打つように痛み、光や音を苦痛に感じるほか、 めまいや吐き気などの症状が現れます。片頭痛の原因として現在有力視されているのが、 セロトニンの調節障害による脳血管の異常な拡張・収縮です。脳が過剰なストレスなどにより刺激を受けると、 血液中にセロトニンという神経伝達物質が一気に分泌され、それに反応して脳血管が収縮します。 そしてセロトニンが出尽くすと、その反動で血管が急激に拡張します。 このとき、脳の血管周辺の三叉神経が刺激を受けて炎症物質が放出されるので、それが大脳に伝わって片頭痛が起こるのです。 ただし、片頭痛に続発するすべての耳鳴りが脳過敏性症候群とは限りません。 脳過敏性症候群の診断には、脳の興奮状態を調べる脳波検査が有効です。 耳鳴りがなかなか治らない人は、一度、脳神経外科で脳波検査を受けるべきでしょう。

脳過敏性症候群を改善するには、市販の耳鳴り改善薬ではなく、片頭痛に対して予防効果を持ち、 かつ脳の異常な興奮を抑える効果のある抗てんかん薬や抗鬱薬を使うことが重要です。 それと共に、脳を興奮させない日常生活を送ることが大切です。休日も規則正しい生活を送るようにしましょう。 また、食生活に気を付けることも重要で、栄養のバランスがとれた食事を、1日3回摂るのが基本です。 片頭痛の予防や改善には、マグネシウムとビタミンB2が有効です。 これらの栄養素が多く含まれる食品を積極的に摂るといいでしょう。