更年期からの女性の脂質異常症治療法「薬物療法」

女性は、「更年期」を迎えるころから「脂質異常症」が起こりやすくなります。 生活習慣をしっかり改善しましょう。薬物療法が必要な場合には、必要性をよく理解し、納得したうえで取り組んでください。


■薬物療法

冠動脈疾患の発症の危険性を十分に考慮したうえで行われる

食生活改善や運動をしっかり行っても、脂質の値がなかなか改善しない時は、薬物療法が検討がされます。 冠動脈疾患のリスクが高い場合には、最初から薬物療法を始めることもあります。 薬物療法は、女性では主に閉経後の人が対象になります。また、若い人で薬が必要なケースは限られています。 閉経後でも、女性にはもともと冠動脈疾患が少ないため、薬物療法には否定的な見方もあります。 しかし、総コレステロール値が高い人を調べた研究において、55歳以上の女性では、食事療法だけの場合より、 LDLコレステロール値を下げる「スタンチン」という薬を併用したほうが、動脈硬化性疾患である冠動脈疾患と 「脳梗塞」を併せたものの発症が抑制されるという結果が出ています。 リスクが髙ければ、やはり薬を使ってでも脂質の値をコントロールした方がよいでしょう。 薬物療法は、自分にとっての必要性を十分に理解したうえで行う必要があります。 納得がいくまで担当医とよく相談してください。別の医師の意見を求める「セカンドオピニオン」を活用するのもよいでしょう。