隠れ肥満の解消に『粉末豆乳』



■大豆の肥満解消効果はとても多彩

隠れ肥満の解消につながる大豆の成分や働きを、4つにまとめてみましょう。

①体脂肪を燃やすための筋肉を増強する働き
大豆は、昔から「畑の肉」と呼ばれるほど、良質なたんぱく質を豊富に含む高栄養食品です。 たんぱく質は、ご存知のように、筋肉の材料になる栄養素です。 大豆には、そのたんぱく質が全体重の40%も含まれています。 大豆を毎日摂れば、筋肉が増強されて基礎代謝量も格段に高まります。 その結果、脂肪がよく燃えるようになるのです。

②体脂肪の燃焼を促す働き
大豆に豊富に含まれているたんぱく質は、栄養素の中で最もエネルギーに変わりやすいという特徴があり、 体内の余分な脂肪をよく燃やしてくれます。たんぱく質を多く摂れば、体温が上昇するので消費カロリーが増えます。 また、体温が上がると、体内でラード状に固まっていた脂肪が柔らかくなって分解され、燃えやすくなるのです。 さらに、ふだんからたんぱく質を多く摂ることで新陳代謝が盛んになって、 カロリーが消費されやすい体、つまり脂肪をよく燃焼する体に変わってきます。 大豆のたんぱく質には、動脈硬化や脳卒中を招くLDL(悪玉)コレステロールと結びつき、 エネルギーとして消費させる働きもあることがわかっています。

③満腹感をもたらして食欲を抑える働き
大豆には、食物繊維の仲間である大豆サポニンが含まれています。 大豆サポニンは、AグループとBグループの2種類に分けられます。 Aグループのサポニンは、大豆独特のえぐみ(アクが強くて舌をさすような渋み。いがらっぽさ)のもとになる成分です。 Aグループのサポニンは、舌にある舌咽神経や、咀嚼神経を刺激し、満腹感をもたらすことがわかっています。 しかも、栄養素を吸収する腸内の絨毛という突起を縮小させて、栄養の吸収を遅らせる働きもあるのです。

④体脂肪のもとになる脂質を洗い流す働き
Bグループのサポニンには、体脂肪のもとになる中性脂肪やコレステロール、 それに過酸化脂質を体内から洗い流す働きがあります。 大阪大学薬学部で行われた実験では、脂質異常症の患者にBグループのサポニンを摂ってもらったところ、 ほとんど全員の血中脂質が正常値まで低下した、という報告があります。

まさに大豆は、隠れ肥満を解消したい人に最適の食品です。


●大豆に含まれている成分

大豆は隠れ肥満解消成分の宝庫

前述したように、大豆は、筋肉の材料になるたんぱく質や、体脂肪を減らす働きのある大豆サポニンが豊富な、高栄養食品です。 さらに大豆には、他にも隠れ肥満の解消に役立つ次のような成分が含まれています。

▼大豆レシチン
リン脂質(リンを含んだ脂肪成分)の一種で、細胞膜の主成分。 体脂肪のもとになる中性脂肪やコレステロールを減らす働きに優れています。

▼ビタミン、ミネラル
ビタミンB1・B2、ナイアシン(ビタミンB群の一種)、ビタミンEや、 ミネラルのリン、鉄、カルシウム、マグネシウムなどが含まれます。 ビタミンとミネラルには、体脂肪を分解して燃焼させる酵素の作用を盛んにする働きがあり、補酵素とも呼ばれています。

▼リノール酸、α-リノレン酸
どちらも必須脂肪酸です。青魚に多く含まれるEPAやDHAと同じように、LDL(悪玉)コレステロールを減らして、 肥満を防ぐ働きをします。

▼大豆オリゴ糖
糖類の一種で、腸内の善玉菌を増やして腸の働きを活発にします。すると、余分な脂肪は体外に排泄されます。

▼食物繊維
余分な中性脂肪やコレステロール、それに過酸化脂質(脂肪が酸化してできる有害物質)を吸着して、 体内から洗い流す働きがあります。

▼イソフラボン
女性ホルモンのエストロゲンに似た成分で、余分なコレステロールを減らす強力な働きがあります。

このほかにも、大豆にはフィチン酸(食欲を抑える成分)や植物ステロール(コレステロールの吸収を抑える成分)などが含まれ、 隠れ肥満の解消に役立つ成分は10種類に及びます。


■粉末豆乳

大豆の成分を漏れなく摂るには「粉末豆乳」

隠れ肥満解消に結びつく大豆の成分を、最も効率よく摂取するには、どんな食べ方をすればいいのでしょうか。 実は、大豆の加工食品は、種類によって消化吸収率に違いがあるのです。 大豆成分の40%以上を占めるたんぱく質の消化吸収率を例に挙げると、煮豆65%、きな粉83%、納豆85%、豆腐93%。 そして大豆の絞り汁である豆乳は、たんぱく質の消化吸収率が95%と、最も優れています。 ところが、市販や手作りの豆乳は、作る際に食物繊維の大半がオカラとして取り除かれることが弱点です。 豆乳といえば、大豆独特の臭み(リポキシナーゼという成分)を敬遠する人も少なくありません。 また、大豆の粉末であるきな粉は、製造工程で加熱・焙煎するため、せっかくの有効成分が酸化され、 必ずしも本来の働きを期待できないといわれています。

そんな大豆食品の短所を解消すべく、「粉末豆乳」という製品が登場しました。 最新技術で開発されたこの粉末豆乳は、市販や手作りの豆乳と違って、大豆を丸ごと微粉末にして作られています。 そのため、他の大豆食品では失われがちな食物繊維やビタミンなども、そっくりそのまま含まれているのです。 (財)日本食品センターの分析結果によれば、この粉末豆乳の成分のうち、たんぱく質は42.2%、脂質は22.2%を占めていました。 それ以外の有効成分では、抗酸化作用の強いビタミンEが大豆100g中に29.5gも含まれることがわかりました。 ビタミンEは、有害な過酸化脂質を分解し、老化や生活習慣病、肥満などの進行を抑えてくれるビタミンです。 しかも、粉末豆乳は、粒が極めて細かい微粉末なので、冷たい水にも溶けやすく、たまになったりザラついたりせず、 体に大変吸収されやすいのが特徴。しかも、製造工程で臭み成分がほとんど取り除かれているため、とても飲みやすいと評判です。

この粉末豆乳の基本的な摂りかたは、コップ1杯の水に大さじ1~2杯を入れ、よくかき混ぜて飲みます。 1日1回、食事の30分前に飲めば、大豆サポニンが満腹感をもたらし、食べすぎを防ぐことができます。 さらに、大豆たんぱく質や大豆レシチン、ビタミンやミネラル、リノール酸やα-リノレン酸などが効率よく体脂肪を燃やし、 食物繊維やオリゴ糖などは腸の働きを整えて、余分な脂肪を排泄してくれます。 粉末豆乳は、料理の食材としても使えます。いろいろと工夫して毎日の食生活に取り入れ、 現代人に急増中の隠れ肥満の解消に役立ててください。