【質問】眩しさを感じた後に目の奥が痛くなりました
先日、外出先で左の目の奥がとても痛くなり、続いて吐き気を伴った頭痛が起こりました。
今まで頭が痛くなったことはないので、恐怖を感じました。
目の奥の痛みが、太陽を見た時のような眩しさを感じた後に起こりました。
脳神経外科だけでなく、眼科も受診したほうがよいでしょうか。
●30歳代・男性
【答】
片側の目の奥の痛みと吐き気は、「片頭痛」の特徴的な症状です。
片頭痛の多くは20~40歳代で発症し、4:1で女性に多く見られます。
ご質問者は男性ですが、この片頭痛が初めて起きた可能性が高いと考えます。
1回の頭痛は短ければ数時間で、長くても3日以上続くことはありません。
頭痛の直前にキラキラした光が見えることがあり、その後、拍動性の強い痛みが目の奥に生じます。
吐き気や嘔吐を伴ったり、光や音を普段よりも敏感に感じたりすることもあります。
なお、眩しさや見えにくさが続いていなければ、眼科を受診する必要はないでしょう。
片頭痛の原因は、十分には解明されていませんが、体質によるところが大きく、親も「片頭痛持ち」のことがあります。
片頭痛の場合、血液検査や画像検査では異常が見られず、症状と経過から診断されます。
もちろん、初めての頭痛であれば、脳の病気の鑑別のため、一度は頭部CTやMRIなどの画像検査を受けることをお勧めします。
片頭痛の改善に市販の鎮痛薬が有効なこともありますが、多くの場合は症状が重く、寝込んで欠勤するなど生活に影響を及ぼします。
このような場合は、脳神経内科医や頭痛専門医を受診し、片頭痛の治療薬(トリプタン製剤)を処方してもらうとよいでしょう。
また、1ヶ月に10日以上鎮痛薬を服用している場合は、片頭痛の頻度を減らすために、「予防療法」を行うことが勧められます。
鎮痛薬を飲み過ぎると「薬の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛)」
という新たな頭痛が起こり、頭痛が毎日続くようになることもあるからです。
頭痛の頻度を減らすには、鎮痛薬を安易に飲み過ぎないことに加え、
規則的な生活、適正な睡眠時間、適度な運動、カフェインやアルコールを摂り過ぎないことも大切です。
また、頭痛の引き金(誘因)には個人差がみられます。自分の頭痛の引き金を見極めて、避けられるものは避けて頭痛の予防に努めましょう。
(この答えは、2020年9月現在のものです。医療は日々進歩しているため、後日変わることもあるのでご了承ください。)