【質問】こむら返りを防ぐ方法は?
「こむら返り」が頻繁に起こります。脚が硬直して「元に戻らなくなるのではないか」と思うこともあります。 何が原因でしょうか。起こらないようにする方法はありますか。健康診断では特別悪いところはありません。
【答】
「こむら返り(いわゆる”脚がつる”)」が起こると、大変痛いですし、「元に戻らなくなるのでは」などと心配になることもあるかと思います。
一般に、こむら返りは、ふくらはぎの筋肉が痙攣を起こしてひきつることをいいますが、ふくらはぎ以外の筋肉(足の指、足の裏、太腿など)
に同様の症状が起こることもあります。
原因についてはよくわかっていませんが、普段からふくらはぎ(アキレス腱)を伸ばすような運動をしていないことも、大きな要因になると考えられます。
和式トイレから洋式トイレへの変化によって日常的にしゃがむ動作が減り、アキレス腱を伸ばさなくなったことも影響しているかもしれません。
したがって、普段からアキレス腱を伸ばすような運動を心掛けることが、こむら返りの予防になるとされています。
アキレス腱を伸ばすすときは勢いを付けず、ストレッチの感覚でゆっくりと伸ばすのがポイントです。
例えば、壁に向かって立って両手を壁につき、ゆっくりと肘を曲げて、体を壁にもたれかけるようにしてアキレス腱を伸ばす
(この時かかとを上げないようにする)運動を毎日行うだけでも効果があるとされています。
こむら返りが起こったときは、痛む部分を手でさすったり、ゆっくりと伸ばしたりすると改善しやすくなります。
一部の漢方薬やビタミン剤を内服することもありますが、効果があるとは限りませんし、漫然と長期間、内服することは、副作用の面からもお勧めできません。
こむら返りの背後に重大な病気が隠れていることは少ないものです。
ただし、稀に肝臓や腎臓の病気、電解質やホルモンの異常、脊髄、末梢神経、筋肉などの病気が関連してこむら返りが生じることがあります。
また、妊婦の方や、高血圧や
脂質異常症の薬を内服中の方は、
こむら返りが起こりやすいといわれています。
「こむら返りが頻繁に起こる」「ふくらはぎ以外の部位にも頻繁に起こる」「他の症状(痺れ、筋力低下、筋肉が?せてくるなど)がある」といった場合は、
脳神経内科や整形外科の医師に相談するとよいでしょう。
(この答えは、2020年1月現在のものです。医療は日々進歩しているため、後日変わることもあるのでご了承ください。)