朝10分日光浴

朝10分日光浴からスタート!薬に頼らず安眠に誘われるメラトニンたっぷり生活術。

■光を浴びてから16時間後に分泌増

『メラトニン』の分泌を促す生活習慣を考えるとき、 特に留意していただきたいのは、朝から夜にかけての「光の浴び方」です。 前ページでご紹介した通り、メラトニンはその日、最初に光を浴びてから、14~16時間後に分泌量が増えていきます。 朝7時に光を浴びたら、夜9~11時には脳内がメラトニンで満たされてきて、眠気が強まってくるわけです。 すなわち、夜にメラトニンの分泌を促進させるには、まず朝に日光をしっかりと浴びておくことが大切。 目覚めたら庭など屋外に出て、10分ほど日光浴をするのが理想的ですが、室内にいてもカーテンを開けて、 窓際に座っているだけでかまいません。雨や曇りの日でも、メラトニンの分泌を促すうえで十分な量の光を浴びることができます。

一方、夜に強い光を浴びると、本来ならこの時間、盛んに分泌されるメラトニンの量が減ってしまうので要注意です。 現代社会では夜も明るい照明が絶えないものですが、それでも500ルクス以上の光はなるべく避けたいもの。 一般的に、居間の照明は300~500ルクスですが、白い光を見るとメラトニンの分泌が減ることが分かっています。 勧められるのは、淡いオレンジ色や黄色のような暖色系の照明で、白い照明でもこうした色調のカバーをつけるとよいでしょう。


●コンビニの照明はメラトニン分泌を妨害

パソコン、携帯電話、スマートフォンなどの操作も、寝る1時間前には終了させておきたいもの。 画面から発せられる光によって、メラトニンの分泌が妨げられるからです。 布団の中で30cm以内の距離でスマートフォンを見ると約500ルクス、暗い部屋でパソコンを見ると約500~1000ルクスの光を浴びることになるといわれています。

参考までに、コンビニエンスストアの照明は約1000~1500ルクスもあり、安眠のことを考えるなら、 夜の買い物は控えたほうがよいでしょう。朝と夜の光の浴び方に気配りするだけでも、睡眠薬を服用することなく、 不眠症が改善。1週間~1ヵ月で深く眠れるようになり、日中の頭痛や眼痛が快方に向かった患者さんは何人もおられます。 そのほか、メラトニンを増やす運動や食事の工夫を合わせて実践することで(どれも特別なことではありません)、 皆様の睡眠力の回復に役立てていただきたいと思います。


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