夜のメラトニン分泌を増やす生活術

夜のメラトニン分泌を増やす生活術をご紹介します。

■朝、目が覚めたら、日光を10分ほど浴びる

朝、目が覚めたら日光を10分ほど浴びることが、夜のメラトニン分泌をスムーズにするためのスタート。 屋外に出なくても、カーテンを開けて、明るい窓際にいるだけでかまいません。 晴れた日の明るさ(約10000ルクス)に比べて、雨や曇りの日は光の量が減りますが(1000~2000ルクス)、 それでもメラトニンの分泌促進には十分な効果があります。 メラトニンの分泌量が増えるのは、朝に光を浴びてから14~16時間後。 午前0時には、就寝していると考えると、朝10時までに朝の日光浴を行っておくのが望ましいでしょう。


■日中のリズム運動でセロトニンを増やす

セロトニンは脳の神経伝達物質の一種で、メラトニンの材料となります。 セロトニンが豊富にあれば、メラトニンの分泌不足の解消につながります。 ウォーキングやフラダンスなどリズムのある運動を繰り返すと、脳内でセロトニンが増加します。 食事をよく噛むことも有効で、一口10回噛むようにするだけでもよいでしょう。 昼に増やしたセロトニンから作られたメラトニンは、光に当たっても減りにくいとされています(光への耐性が増す)。 昼に活発に動くとよく眠れる理由とは、「単に体が疲れたから」というだけではないのです。


■トリプトファンを含む食品を摂取する

メラトニンの材料になるのが、神経伝達物質のセロトニン。 そして、このセロトニンの生成に不可欠なのが、 「トリプトファン」というアミノ酸です。 不眠改善には1日500mgのトリプトファンが必要といわれ、 身近な食品の含有量(100g中)としては、チーズ(290mg)、納豆(240mg)、牛肉赤身(218mg)、卵(180mg)、豆腐(98mg)、 牛乳(42mg)、バナナ(10mg)など。とはいえ、細かい含有量にはあまり神経質にならず、 三度の食事でこうした食品をこまめに摂ることをまず心がけるとよいでしょう。


■歯磨きは就寝の1時間以上前に済ませる

食べたものを消化吸収する作業は、深い眠りを妨げるので、夕食は就寝3時間前には食べ終えておくこと。 さらに、就寝1時間以上前には、歯磨きも済ませておくことが勧められます。 イギリス・エディンバラ睡眠センターの報告によれば、歯磨きで歯茎が刺激されると、 メラトニンの分泌が抑制されてしまうことが判明。 そのうえ、歯磨き剤に含まれるミント系の香料の爽快感は、 エスプレッソ・コーヒー(濃厚で眠気を妨げるカフェインが多い)2杯分の不眠効果をもたらすとのことです。


■居間の照明は、白色系よりも暖色系にする

朝の光とは逆に、夜に強い光を浴びると、メラトニンの分泌量は減ってしまいます。特に白い光はそうした傾向が強いもの。 居間の照明は300~500ルクスに抑えて、淡いオレンジ色や黄色のような暖色系の光を使用しましょう。 白い照明でも、こうした色調のカバーを付けることで、メラトニンの分泌を保護できます。 パソコン、携帯、スマートフォンの画面の光もメラトニンにとっては大敵。 特にゲームやメールチェックをすると、脳の興奮を招いて寝つきが妨げられます。 こうした機器の使用は、就寝1時間以上前に終えましょう。



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