カルシウム【高血圧対策・動脈硬化対策に】
『カルシウム』が不足するとイライラを引き起こしたり、 動脈硬化が進行して高血圧・脳梗塞を招くこともあります。 さらに、カルシウムは、リンとのバランスをとっているミネラルで、 加工食品や外食が中心ではどうしてもリンが過剰に摂取してしまうので、 その均衡を保つためにもカルシウムを摂取する必要があります。 カルシウムが持つ重要な働きは、マグネシウムとのバランスでより高められます。
■カルシウム不足と動脈硬化・高血圧
高血圧はカルシウム不足で多発する
食事からカルシウムを十分に補給しない状態が続けば、血液中や細胞内のカルシウムが慢性的に不足します。 体内のカルシウムは、全体量の99%が骨に貯蔵され、残りの1%が血液中や細胞内に含まれています。 血液中や細胞内に含まれるカルシウムは、人体の生命維持に重要な役割を果たします。 そのため、血液中や細胞内のカルシウムが不足してその濃度が低下すると、体は正常な濃度を保とうとするのです。 具体的にいえば、骨に貯蔵されたカルシウムを溶かして血液中に送り出します。 つまり食事からのカルシウムが不足すると、かえって血液中のカルシウムは増えるわけです。 これを専門用語で「カルシウム・パラドクス」と呼びます。 近年の研究で、このカルシウム・パラドクスが 高血圧や 動脈硬化 と深いかかわりを持っていることがわかってきました。
骨から溶け出したカルシウムには、血管壁を構成している弾性腺維(血管の弾力を保つ筋腺維)に入り込みやすいという性質があります。 そのため、血管内のカルシウムが増えると、弾性腺維が次々にカルシウムと結びつくため、 血管壁が弾力を失って、硬くもろくなり、しまいには石灰化します。これが動脈硬化の原因となるのです。 さらに、石灰化した血管壁が傷つくと、血液中のコレステロールや中性脂肪が血管壁に侵入する場合もあります。 すると、血管壁が盛り上がって血液の通り道を狭めるため、血液の流れが悪くなり、 いわゆる「ドロドロ血液」を引き起こします。 ドロドロ血液になると、血管壁にかかる圧力が高くなって高血圧を招きます。 以前、米国では約1万人を対象に血圧と栄養摂取量の関係を調べる調査が行われました。 その結果、カルシウムの摂取量が少ない人ほど高血圧が多発していることがわかったのです。