高血糖(糖尿病)対策に
『高麗人参』
『高麗人参』には、インスリン分泌能を高める働きや 糖尿病の代表的な合併症である腎症を抑える働きがあることがわかっています。 ジンセノサイドRb2を注射で投与するシロネズミの実験では、 400mg~500mg/dlの高血糖ネズミの腹部に1日10mg注射したところ、血糖値が169mg/dlまで下がり、 投与を中止した後も、血糖値は対照群より40~50%低い水準を維持し続けたという報告があります。
■高麗人参
『高麗人参』と野菜のニンジンと混同する方もいますが、 高麗人参はウゴギ科、ニンジンはセリ科でまったく別の植物です。 中国古来の医学書として西暦1~2世紀に書かれた「神農本草経」には、 「人参、味甘く、微塞、五臓を補い、精神を安んじ、魂魄を定め、驚悸を止め、邪気を除き、目を明らかに、 心を開き、智を益するをつかさどる、久しく服すれば身を軽くし、年を延ばす」と記載されています。 つまり、時代劇などでもよく登場するように、弱った人の回復を助ける生薬だったのです。 高麗人参は、天然成分がひときわ豊富で、22種類ものサポニン、ビタミンを含んでいます。 さらに、マグネシウムは他の野菜の14倍以上、カリウムやナトリウムは10~25倍以上とミネラルもたっぷりです。 免疫力強化には最適のお茶です。 高麗人参は多くの有益な栄養を含んでいますが、その中心的な働きをするのが「サポニン」で、 高麗人参の皮の部分に多く含まれています。高麗人参の本場である韓国では、紅参は白参よりも品質の優れた人参とされています。 紅参は十分に成熟した六年栽培の人参を表皮のまま蒸して乾燥したものですが、 白参は人参の表皮をはいでそのまま乾燥したものです。 そのため、白参では表皮周辺に多い成分・ニンジンサポニンが失われます。
■高麗人参の血糖降下作用研究報告
インスリン分泌量が1.5倍に増えた
ある実験で、『高麗人参」は中性脂肪を激減させ、善玉コレステロールを増やすことにより、
動脈硬化を改善する作用があることがわかりました。
また、高麗人参には、血中脂肪だけでなく、血液中の余分な糖分を減らす働きがあることも報告されています。
1999年に関西医科大学の研究グループが行った高麗人参と糖尿病との関係を調べた試験では、
次のような結果が得られました。
対象となる2型糖尿病患者71人を2つのグループに分け、一方のグループには、毎日3~6gの高麗人参の乾燥粉末を
摂ってもらい、もう一方のグループには偽物を摂ってもらいました。
そして、それぞれのグループのインスリン分泌能を調べたのです。
すると、高麗人参を摂っていないグループでは、インスリン分泌能が、35.2(基準値は40~100)から1年後には
30.7に低下してしまいました。ところが、高麗人参を摂っていたグループは、
39.2から60とインスリンの分泌能が約1.5倍に回復したのです。
また、高麗人参には、糖尿病の代表的な合併症である腎症を抑える働きがあることも臨床試験でわかっています。 関西医科大学のグループの研究では、高麗人参の乾燥粉末を1日4.5g摂取していた人たちは、 糖尿病性腎症の治療薬であるジピリダモールを利用していた人たちに比べて、腎症の進行度が、 約半分に抑えられたことが報告されています。
このように高麗人参には、血液を浄化し血管を若く保つ働きによって、動脈硬化や糖尿病、さらにはその合併症まで 退ける効果が期待できます。そのほか、高麗人参には、抗ストレス作用、精神安定作用、免疫力強化作用、 肝機能改善作用も報告されています。
■250ミリの血糖値が3ヵ月後には正常に
次の例は、糖尿病と診断された50代男性の回復例です。
その男性は、体のだるさや微熱など風邪のような症状を自覚して受診したところ、思いがけず糖尿病と診断されました。
処方された薬を飲みながら仕事を続けていましたが、体重が急激に減って4ヵ月後には7kgも痩せ、
血糖値は250ミリ(基準値は110ミリ未満。126ミリ以上で糖尿病)という、典型的な糖尿病になっていました。
教育入院後、インスリン注射を打ちながら療養していましたが、高麗人参のことを知り、
乾燥重量にして1日10g高麗人参のサプリメントを摂ったところ、1ヵ月後には体調がよくなって体重が増加。
2ヵ月後には、インスリン注射が不要になり、3ヵ月後には血糖値が正常値まで回復したそうです。
■高麗人参の飲み方
高麗人参茶や濃縮液をお湯で薄めて飲む場合、初めての方は、特有の苦味と香りにな かなかなじめない方もいるようです。 味になじめない方は、最初は薄味から始めて少しずつ濃くしていくことをお勧めします。 お好みによりレモンで香りをつけたり、ハチミツで甘味をつけると飲みやすくなります。 高麗人参の成分は非常に安定していますので、レモンやハチミツを加えたり、あ るいはコーヒー、 紅茶、炭酸飲料、アルコール飲料などに溶かしていっしょに飲んでもかまいません。